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11日の決算ラウンドアップ:アクタビス、サザビーズ

by • May 11, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2163

Earnings Roundup : Actavis, Sotheby’s.

11日に発表された決算をお伝えします。後発医薬品大手アクタビスは、加製薬大手バリアントと物言う投資家ビル・アックマン氏が買収対象として虎視眈々と狙っていたアラガンを勝ち取り、大幅増収を達成。一方でサザビーズはオークション手数料改定で収入を押し上げました。決算とは別に、中国オンライン小売最大手の新たな一手についてもお届けしおります。

▽アクタビス

後発医薬品メーカーが発表した1−3月(第1四半期)決算では、純損失が5億3520万ドルだった。前年同期の9650万ドルの黒字から赤字に反転。2014年11月にしわ取り注射ボトックスで知られるアラガンと660億ドルで買収合意し3月に完了したため、赤字に転落した。買収費用など特殊項目を除く1株当たり利益は4.30ドルとなり、市場予想の3.93ドルより強い。売上高はアラガンの買収効果を背景に59.0%増の42億3000万ドルとなり、市場予想の40億3000万ドルを上回った。

2015年通期のアラガンの買収を含め1株当たり利益は17.0〜18.50ドルを見込み、レンジ中央値はアナリスト予想平均の17.70ドルを小幅に上回る。売上高は205億〜210億ドルで、市場予想の215億ドルに届かなかった。 寄り付き早々、株価は一時3%超も上昇した。

▽サザビーズ

オークション大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が520万ドルだった。前年同期の610万ドルの赤字から黒字へ転換している。最高経営責任者(CEO)の交代や物言う投資家向け対応など特殊項目を除く1株当たり利益は0.11ドルで、市場予想は収支とんとんを見込んでいた。収入は0.7%減の1億5570万ドルながら、市場予想の1億5200万ドルを上回る。

収入の部門別動向をみると、入札を介さない直接販売部門(美術館や個人主から作品、あるいはワインなどを買い取り直接販売する)が50.1%減の1298万ドルと落ち込みが激しい。美術品の価格が過去最高に達するものの供給過剰、あるいは同業クリスティーズなどとの競争激化がシェアを奪っている可能性を示す。一方、オークションでの仲介収入は3.9%増の1億2780万ドル。オークション手数料が料金改定もあって、8%増と支えた。タッド・スミス社長兼最高経営責任者(CEO)は巨匠の作品をはじめ印象派、モダン・アート、コンテンポラリーなどが好調で増益につながったと説明したものの、手数料引き上げが増収をけん引した様子が伺える。株価は寄り付き早々、0.7%高を示した。

▽アリババ、ズーリリー

中国オンライン小売最大手アリババは、母親向け子供服関連オンライン小売のクラスA株を9%取得した。前週に発表したズーリリーの決算を受け株価が下落した場面で480万株を5600万ドルで買い取った結果、アリババの保有株数は1150万株、1億5600万ドル相当に到達。クラスA株はクラスB株の投票権の10分の1にしか満たない上、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙も関係者の話を元に完全買収の可能性を否定している。 ただし、ズーリリーの出資が米国進出への手掛かりとなる公算が大きい。

なおズーリリーは、母親にターゲットをしぼり子供服のブランドを大手から小口まで幅広く扱うサイト。時間限定での激安セール(フラッシュ・セール)を実施することで知られ、買い物する時間的余裕のないママの間で重宝されてきた。2013年に11月に新規株式公開(IPO)を22ドルで実施し、一時は70ドル超えを果たしたものの年初来から43%も下落しており11日の序盤は16%超も急伸し15ドル付近で推移している。

(カバー写真:ibankcoin)

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