NFIB Small Business Optimism Rebounds From 9-Month Low In April.
米4月NFIB中小企業楽観度指数は96.9となり、市場予想の96.0を上回った。9ヵ月ぶりの水準に落ち込んだ前月の95.2から改善したとはいえ、2月の98.0には届かず。2006年10月以来の高水準でありリセッション前の平均値100を回復した2014年12月の100.4で、ピークアウト感が出て来た。なお同指数は、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表する労働市場情勢指数(LMCI)に含まれる。
発表元である全米独立企業盟(NFIB)のウィリアム・ダンケルベルグ主席エコノミストは、結果を受け「3月から小幅に上昇したものの、前月分の低下から改善した程度で顕著なセンチメントの上向きは見られない」と指摘。直近はレンジ内にとどまるなか「経済が伸び悩む一因は中小企業にあり、大企業とともに景気を支えるべき」と結んだ。
楽観度指数、リセッション前の平均値を回復した後は上げ渋り。
(出所:NFIB)
内訳をみると、12項目中プラス圏にのせた項目は8項目となり前月と変わらず。今回は「求人件数」をはじめ、「設備投資を拡大する」、「雇用を増加させる」、「賃金見通し」、「在庫を増加させる」などが前月を上回った。また「経済がより良くなる」をはじめ、マイナス項目が全て改善している。以下は、項目ごとの変化。
「求人件数」27%→ 前月の24%から上昇、6ヵ月平均は26%
「設備投資を拡大する」26%→前月の24%から上昇、6ヵ月平均は26%
「売上の拡大を予想」10%→ 前月の13%から低下、6ヵ月平均は15%
「賃上げ見通し」14%→前月の13%から上昇、6ヵ月平均は14%
「事業拡大に良いタイミング」10%→ 前月と変わらず、6ヵ月平均は12%
「雇用を増加させる」11%→ 前月の10%から上昇、6ヵ月平均は12%
「在庫を増加させる」4%→ 前月の1%から上昇、6ヵ月平均は3%
「販売価格の上昇」2%→前月と変わらず、6ヵ月平均は3%
「在庫満足度」−1%→ 前月の−5%から改善、6ヵ月平均は−3%
「信用状況が緩和する」‐4%→ 前月の−6%から改善、6ヵ月平均は-5%
「経済がより良くなる」−6%→ 前月の−7%から改善、6ヵ月平均は2%
「黒字トレンドにある」‐16%→ 前月の−22%から改善、6ヵ月平均は−18%
——春を迎え「求人件数」、「設備投資」、「賃上げ見通し」などに明るい兆しがみられた半面、「経済がより良くなる」はマイナス圏にとどまったままです。2014年に続き悪天候や西海岸の港湾労働者ストライキなどで米1−3月期国内総生産(GDP)はマイナス成長が見込まれる上、大手企業の1−3月期決算はドル高という十字架を背負い芳しくなく、4−6月期の回復力に疑問が残る。足元の金利上昇も重なり、中小企業楽観度指数は5月もレンジ内を維持する可能性が濃厚になってきました。
(カバー写真:Steven Depolo/Flickr)
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