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米4月耐久財受注、前月も上方修正され明るいニュースを運ぶ

by • May 26, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1597

Durable Goods Orders Deliver Good News For Q2 GDP.

米4月耐久財受注は前月比0.5%減となり、市場予想の0.6%減より下げ幅を縮めた。ただ前月の5.1%増(4.0%増から上方修正)を下回り、過去6ヵ月間で3回目の減少を示す。輸送機器が2.5%減となり、前月の15.2%増から減少に反転。前月と打って変わって変動の大きい航空機が下押ししており民間航空機が4.0%減(前月は40.7%増)、防衛航空機が12.9%減(120.4%増)とそれぞれ減少している。半面、自動車は2ヵ月連続で増加した。防衛財も航空機が押し下げたため9.5%減と、前月の17.1%増を下回り3ヵ月ぶりに減少しヘッドラインを押し下げた。

輸送用機器は2.5%減、前月の15.2%増(修正値)から減少に反転。
・民間航空機 4.0%減と前月の40.7%増から減少に反転
・自動車 0.3%増と前月の4.2%増と合わせ2ヵ月連続で増加

輸送機器を除く場合は0.5%増と、市場予想の0.4%増を超えただけでなく前月の0.6%増(0.2%減から上方修正)と合わせ2ヵ月連続でプラスに。製造業活動の回復を示唆している。

コア資本財(企業の設備投資を示す航空機を除いた非防衛財)は、1.0%増となった。前月の1.5%増(0.5%減から上方修正)に続き、2ヵ月連続で増加。機械をはじめ金属関連がけん引した。

・機械 3.1%増、3ヵ月ぶりに増加
・組み立て金属 1.9%増と4ヵ月ぶりに増加
・一次金属 1.0%増と7ヵ月ぶりに増加

・電気機器 1.5%減と前月の0.9%増を下回り3ヵ月ぶりに減少
・コンピューター/電子機器 3.6%減と前月の7.7%増から減少に反転

耐久財出荷は前月比0.1%減となり、前月の1.5%増からマイナスに転じた。過去6ヵ月間では、4回目の減少を示す。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財は0.8%増となり、前月の1.0%増(0.4%減から上方修正)に続き2ヵ月連続で増加した。過去6ヵ月間では、3回目の増加となる。

耐久財在庫は0.2%増と、約2年連続での増加基調を止めた前月の±0%からプラスに転じた。出荷が減少した半面、在庫が増加したため在庫相当は1.67ヵ月と前月の1.66ヵ月から延びた。

バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受けて「コア資本財の出荷が2ヵ月連続で増加しており、設備投資の改善が期待される」と指摘。特にコア資本財のうち、新規受注では「ドル高の打撃に直面した機械や金属関連の回復が著しく「2014年夏以来の需要を示しており、耐久財受注で0.7%ポイントも寄与した」という点も心強い。その上で「米4−6月期GDPの予想を従来の2.5%増から2.7%増へ引き上げる」と結んだ。

なおJPモルガンは米4−6月期GDPの予想を約2.0%増、米1−3月期GDP改定値の予想を1.1%減で据え置いた。

——米4月耐久財受注は前月と反対にヘッドラインが弱含んだものの、コア資本財は大幅に上方修正された前月値に続き回復の芽を伸ばしています。企業の設備投資がGDPに寄与し米4月貿易収支で外需の力強さを確認すれば、米4−6月期GDPはアトランタ連銀の予想まで減速するリスクは回避されることでしょう。米景気に明るいニュースを運んで来たものの、イエレンFRB議長の発言もあって米株にはマイナスに作用していまいました。

(カバー写真:Wired Photostream/Flickr)

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