Richmond And Dallas, Two Tales Of Manufacturing Index.
米5月リッチモンド連銀製造業景況指数は1となり、市場予想と一致した。4月のマイナス3、3月のマイナス8、2月のゼロを経て、4ヵ月ぶりに分岐点を回復したものの小幅な改善にとどまる。
内訳は、以下の通り。ほぼ全ての項目で改善した。
・新規受注 2、4ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月はマイナス6
・出荷 マイナス1、4ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス6
・稼働率 7、4ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月はマイナス4
・平均労働時間 6、2ヵ月連続で分岐点乗せ4ヵ月ぶり高水準>前月は4
・賃金 20、2014年5月以来の高水準>前月は9
・在庫・最終財 21>前月は18
・仕入れ価格 0.70%、4月ぶり高水準>前月は0.69%
・雇用 3、2014年4月以来の低水準<前月は7
・販売価格 0.38%<前月は0.51%、2014年10月以来の高水準
6ヵ月先見通しは新規受注、雇用、設備投資、賃金が上向いた半面、出荷のほか稼働率、平均労働時間が低下した。
米5月ダラス連銀製造業景況指数はマイナス20.8と、市場予想のマイナス10.0より下げ幅を広げた。前月のマイナス16.0より悪化し、2009年6月以来の低水準を記録。分岐点割れは5ヵ月連続となる。
原油安、ドル高のダブルパンチでリーマン・ショック冷めやらぬ時期まで後退。
(出所:Federal Reserve Bank Of Dallas)
内訳は、以下の通り。
・生産 マイナス13.5、2009年5月以来の低水準で3ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス4.7
・新規受注 マイナス14.1、5ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス14.0と2009年5月以来の低水準
・雇用 マイナス8.2、再び分岐点割れを迎え2009年11月以来の低水準<前月は1.8
・賃金 14.7、2013年9月以来の低水準<前月は16.5
・稼働率 マイナス11.6、2009年8月以来の低水準で4ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス10.4
・仕入れ価格 マイナス1.7、2014年12月以来の分岐点回復が接近>前月はマイナス11.2
・受注伸び率 マイナス15.2、7ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス15.5
6ヵ月先見通し指数は、4.9。前月のマイナス5.9から分岐点を回復し4ヵ月ぶり高水準を示す。内訳をみると生産、稼働率が10ポイント以上も急回復を遂げたほか、新規受注、出荷、賃金、雇用、設備投資などそろって前月から上向いた。
米4月耐久財受注の好結果などを経て、アトランタ連銀の米4−6月期GDP予想は0.8%へ上方修正。
(出所:Federal Reserve Bank Of Atlanta)
——米5月リッチモンド連銀製造業景況指数は分岐点を回復しつつ小幅改善にとどまり、米5月ダラス連銀製造業景況指数は原油安の痛手が響き悪化を免れず。もっとも、6ヵ月先見通し指数はそろって好転のサインを点灯させています。原油安・ドル高が一服しつつある過程で、米4月耐久財受注と合わせ見通しに楽観ムードが漂ってきました。年内利上げに向け金利上昇→ドル高→原油安の悪循環が最低限に抑えられるかが、今後のカギとなってくることでしょう。
(カバー写真:Rebecca Cook/Reuters)
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