MSCI Puts On Hold The Inclusion Of China’s A-shares For Now.
モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)は9日、年に一度行う査定で中国本土の人民元建てA株をめぐり新興国株式指数組み入れを見送りました。おかげで、上海株総合指数は一時1%超も下落。ただしMSCIは外国人投資家の市場アクセス、国際間の資本移動、流動性などの問題点を解消すれば、採用する構えをみせています。年次改定が行われる6月以外に採用を発表する可能性も、点灯させました。中国証券監督管理委員会(CSRC)と作業部会を発足する計画も、明らかにしています。
MSCIの決断を受け、ウィルミントン・トラスト・アドバイザーズのクレム・ミラー投資アナリストのほかウォールストリートの間では「2016年前半がメド」との声が聞かれています。
MSCI新興国株式指数は23ヵ国から成り、国別構成比率は中国が25.26%でトップです。
国別構成比率、5月29日時点の詳細はこちら。
(出所:MSCI)
中国の比率がもっとの高いにも関わらず、5月29日までのリターンは年初来で5.69%とMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスの5.14%を小幅に上回るパフォーマンスにとどまる理由は、ただひとつ。中国A株が採用されていないためです。例えばMSCI新興国株式指数に組み入れ済みの香港のハンセン指数は過去1年間で17%上昇した一方、上海総合指数は度重なる利下げや信用取引の拡大を追い風に150%を超える急伸を遂げていました。S&P500の7%とは、比べるまでもありません。アクティブ運用で苦境に立たされるファンドマネージャーにしてみれば、喉から手が出るほどでしょう。
ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙によると、中国A株が組み入れられればMSCI新興国株式指数のうち中国の比率は40%に達する見通し。中国株がこの世の春を謳歌しているうちは左団扇でしょうが、調整局面を迎えた場合を考えるとゾッとしないでもありません。
(カバー写真:Aaron Goodman/Flickr)
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