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ギリシャはあの手この手を繰り出すも、国民投票まで国際債権団は静観モード

by • June 30, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1956

Greece Misses The Debt Deadline As Bailout Expires.

7月1日の午前0時、ギリシャ向け支援期限が切れるとともに国際通貨基金(IMF)向けの返済も延滞が決定しました。IMFは声明で、債務不履行ではなく遅延との見解を表明。ユーログループ(ユーロ圏財務相会合)は同日の現地時間午前11時から、あらためて緊急電話会合を開きギリシャの今後を協議する構えです。

ギリシャは6月30日、期限切れ直前に新提案を提出。欧州金融安定メカニズム(ESM)を通じた2年間にわたる支援プログラム、および債務再編を要請しています。ヤニス・ドラガサキス副首相は同日夜、国営テレビで国際通貨基金(IMF)に対し債務返済の延期を要請したと言及。また、ギリシャの国内銀行向けに前週から据え置かれている緊急流動性支援(ELA)を引き上げるよう、欧州中央銀行(ECB)に求めたと説明しました。きっちり要求するべきところを外さないのは、さすがです。

ユーログループの議長で蘭財務相のデイセルブルム氏とメルケル独首相は、そろって新提案をめぐり国民投票後に検討する意志を強調しています。ギリシャが大見得を切った以上、チプラス政権に最後まで責任を取らせる気でいるのでしょうか。世論調査の結果からは27日に提示した国際債権団の財政改善策を支持する傾向が見て取れるほか資本規制の疲弊もあり、ユーログループがジタバタする必要はなさそうです。

米株は30日、小幅に反発。ギリシャの新提案を受けて妥結への期待が高まり、ダウ平均は一時 118.31ドル高の17714.66ドルまで本日高値を更新したものです。ただし、フィッシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長はオックスフォード大学での講演にて「完全雇用に近づいている」と発言。統治目標の達成まで「政策調整を待つべきではない」とも述べるなど、ダドリーNY連銀総裁と歩調を合わせ9月利上げの可能性を残し小幅高にとどまりました。年初来リターンは1.1%安と、2日連続でマイナスとなります。S&P500は小幅に5日ぶり反発し、200日移動平均線割れを回避。年初来リターンは0.2%高と、プラスへ戻しました。 ナスダックも小幅に5日ぶり反発、一目均衡表・雲の下限のほか100日移動平均線を回復して取引を終え、年初来リターンは5.3%高となっています。下半期入り、少なくともニューヨーク市場はギリシャ動向を横目に米6月雇用統計で利上げ時期を見極めていく段階に入ってきました。

(カバー写真:m.p.3./Flickr)

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