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ダウ平均は反発も、アップルが2.0%安で引けたワケ

by • July 9, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2136

Apple Shares Post First Five-Session Losing Streak.

マルティン・ルターはかつて「たとえ明日世界が滅亡しようとも私は今日、りんごの木を植える」と言いました。

米株市場は9日に反発したものの、この銘柄が市場の重力に逆らって大幅安で引けています。そう、アップルです。

前日はグッドニュースとバッドニュースがヘッドラインを騒がせたものの、9日は特に目立った材料は見当たらず。ダウ平均構成銘柄のパフォーマンスをみると最下位の2.0%安、120.07ドルで取引を終えています。それだけではありません。本日までに5日続落したのは、1日5日以来で初めてとなります。当時、原油安やギリシャ問題を背景にS&P500も1月6日までに5日続落していました。アップル株、7月に入ってからの5日続落で時価総額は月初から368億ドル(3兆700億円)も失ったことになります。

アップル株の5日続落というと、思い浮かぶのは・・・中国株安ですよね?

200日移動平均線を目指す勢い。

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(出所:Stockcharts)

UBSのアナリストは、スティーブ・ミルノビッチ氏はレポートにて「中国の動向を注視していく」との見解を表明しました。いえ、特に悲観的なコメントを寄せたわけではありません。中国担当エコノミスト、タオ・ワン氏による「中国株式市場は経済の大きな影響を与える公算は小さい」との見解を引用し、「消費活動と株価の関係は曖昧」と分析。現状でアップルは「問題なし」との判断を下しました。4−6月期のiPhone販売台数も従来の5000万台から5100万台とし、アナリスト予想レンジ4000万〜5000万台を超える強気予想を示します。特に中国がけん引すると見込み、前年同期比で100%増もかくやというではありませんか。

しかし、裏を返せば「中国依存度が高い」と解釈できますよね?実際、1−3月期の決算をおさらいすると、iPhone販売台数で米国を初めて抜き去るなど、中国の爆買いパワーには目を見張るものがあります。アップルの売上全体の約30%を大中華圏が占め、ここでも米国のお株を奪う勢い。アップル・ウォッチの売上依存度が高いとの調査結果もありますから、なおさら中国株安の影響は無視できません。

ドイツ銀行も、6日付けのレポートで下半期におけるiPhone 6の売上鈍化を掲げていました。小米やZTE、ファーウェイが200〜350ドル(約2万4000〜4万2000円)の低価格レンジで品質の高い商品を売り出しているため、2016年にアップルはスマートフォン販売でアンダーパフォームするとも予想。6月30日に肝煎りでサービスを開始した「アップル・ミュージック」も、3ヵ月間無料という事情もあって4−6月期の業績には影響を与えないと切り捨てます。

天下のアップルも、お得意様の中国がくしゃみをすれば・・ということになりかねない?少なくとも、投資家は警戒感を隠そうともせず。今のところ、りんごの木を植える気はないもようです。テクニカル的な節目と4−6月期決算で、形勢逆転といくでしょうか。

追記:10日の米株相場で、アップルは6日ぶりに反発。9日引け値で2月23日につけた最高値から9.7%落ち込み調整入りに足をひっかけていましたが、ひとまず一段の下落を回避しました。

(カバー写真:Jeremy Piehler/Flickr)

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