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ユーロ圏首脳、ギリシャ支援で合意—ELAは据え置き

by • July 13, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2264

Euro Zone Reached ‘aGreekment’, ECB Keeps ELA Cap.

ユーロ圏首脳会合は、約17時間に及ぶ協議を経てギリシャの第3次支援の条件で合意した。期間は3年間で、支援総額は最大で約860億ユーロ(約1兆1700億円)。11日時点の想定額740億ユーロから引き上げた。欧州連合(EU)のトゥスク大統領は、ツイッターで「全会一致で合意した」と発言。「厳粛な金融改革や金融支援とともに、ギリシャ向けの欧州安定メカニズム(ESM)プログラムを適用する準備は全て整った」と明かした。

トゥスクEU大統領、ユーロ圏首脳による「全会一致」の合意を発表。

euro summit tusk
(出所”:Donald Tusk : Twitter)

ポイントは、以下の通り。
・ギリシャ政府は、15日までに年金改革および付加価値税(VAT)を盛り込んだ財政改革案を可決する必要
・国際通貨基金(IMF)は引き続き関与へ
・金融支援の返済期限は支払い可能な程度に緩める
・ヘアカット(債務減免)はなし
・ギリシャは約500億ユーロの国有資産を欧州が監督する信託基金へ移管、民営化を通じ売却を目指す
・ユーロ圏の一時的な離脱リスク消滅
・ギリシャ国内銀行の資本増強に、最大250億ユーロ必要

つなぎ融資をめぐっては、ユーログループ(ユーロ圏財務相会合)のデイセルブルム議長によると13日にも協議する見通しだ。ロイターによると、1)欧州中央銀行(ECB)が保有するギリシャ債の利益、2)欧州委員会の緊急資金の活用、3)友好国との2国間融資——が選択肢として挙げられている。ただ3)につき、2人のフランス当局関係者が直接融資の可能性を否定した。

ギリシャ国有資産を基盤に約500億ユーロで設立される信託基金は、ギリシャ国内銀行向け資金増強として約250億ユーロに投入される見通し。また、債務縮小に充てる公算だ。

欧州中央銀行(ECB)は13日、電話会議で緊急流動性支援(ELA)を6月28日からの890億ユーロで据え置いた。ギリシャ議会が15日に第3次支援の条件を可決するまで、様子見を決め込んだかたちだ。ECB定例理事会は、15〜16日に開催される。ギリシャはこれを受けて、窓口閉鎖を少なくとも15日まで延長すると発表した。

ドイツのメルケル首相は、第1次世界大戦後にドイツに厳しい賠償金支払いなどを突きつけたベルサイユ条約に匹敵するかとの問いに「歴史と比較するつもりはない」とコメントした。トゥスクEU大統領は、今回の合意に対し「aGreekement(agreement=合意をかけたシャレ)」なる新しい言葉を駆使していた。

今後は 1)ギリシャへのつなぎ融資、2)15日に予定するギリシャ議会での採決、3)15〜16日開催のECB定例理事会、4)20日に予定する35億ユーロ相当のECBへの債務支払い——が注目される。16日あるいは17日に、ギリシャ議会の決断を受けてユーロ圏首脳会合を開く可能性も。ドイツの与党キリスト教民主同盟(CDU)のターバー議員は、独連邦議会が17日にギリシャ案をめぐって採決に掛けると発言した。ブルームバーグによるとドイツのほかオランダ、フランス、オーストリア、スロバキア、エストニア、フィンランドも議会で承認する必要がある。

(カバー写真:Donald Tusk : Twitter)

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