Earnings Roundup : Target, Staples, Lowe’s.
小売決算は、まちまちが続きます。ターゲットとロウズは売上が市場予想を上回ったものの、ステープルスはアマゾンをはじめとした競争激化を回避できませんでした。
▽ターゲット、既存店売上高が堅調で見通しを上方修正も今期に慎重
ディスカウント百貨店が発表した5−7月（第2四半期）決算では、純利益が前年同期比3倍増の7億5300万ドルだった。前年同期はカナダ部門の損失や顧客情報流出に掛かる費用を計上したほか、債務返済の前倒していた。一時的項目を除く1株当たり利益は1.21ドルとし、市場予想の1.11ドルより強い。売上高は2.8％増の174億2700万ドルで、市場予想の174億ドルを上回った。ファッション・スタイルを重視した戦略と家庭用品への注力により女性顧客のハートをつかみ、既存店売上高は2.4％増と市場予想の2.2％増を超えている。オンライン売上高は30％増を遂げ、既存店売上高のうち0.6％ポイント寄与した。粗利益率は30.9％と、前年同期の30.4％を上回った。
2015年度（2016年1月末終了）の1株当たり利益は4.60−4.75ドルとし、従来の4.50−4.65ドルから引き上げた。8−10月期の1株当たり利益は0.79−0.89ドルを見込み、レンジ中央値は市場予想の0.86ドルに届かなかった。
カンファレンス・コールにてジョン・マリガン最高経営責任者（CEO）は、5−8月期の既存売上高につき「1−2％増、オンライン売上高を30％増」と予想。また在庫も、店頭に陳列する上で「適正な水準に調整する必要がある」と付け加えた。決算が改善を示し通期見通しを上方修正したものの、8−10月期の想定レンジ中央値はアナリスト予想平均に達しておらずカンファレンス・コールでの慎重な見解も嫌気し、株価は買い先行後に一時0.8％下落した。
決算とは別に今週、同社は2013年のホリデー商戦に発生した約4000万人に及ぶ個人情報流出問題で、ビザカード発行者に最大6700万ドル支払うと発表した。
▽ステープルス、米国・海外そろって減収
オフィス関連小売が発表した5−7月（第2四半期）決算では、純利益が前年同期比56.1％減の3600万ドルだった。オフィス・デポの買収費用および再編費用など特殊項目を除く1株当たり利益は0.12ドルと、市場予想と一致。売上高は5.4％減の49億3700万ドルで、市場予想の49億6000万ドルを下回った。
北米での売上高は7.6％減の21億800万ドル。既存店売上高は為替変動を除くベースで2％減となり、13期連続で減少している。客足が1％減となったほか、平均支出額も2％減だった。オンライン売上高は為替変動を除くベースで3％減となる。売上の6分の1を担う海外での売上高は17.2％減の7億8000万ドル。欧州での既存店売上高が4％減と響いた
同社は2月、競合のオフィス・デポを買収することで合意。買収額は63億ドルで、規制当局の承認待ちの状況だ。
8−10月期の買収関連費用を除く1株当たり利益は0.33−0.36ドルを見込み、市場予想に届かず。売上高は減少見通しを示し、アナリストの予想平均は59％減の21億4600万ドル。決算を嫌気し、株価は一時1.8％下落した。
▽ロウズ、売上が予想上回るも見通しは据え置き
リフォーム関連小売が発表した5−7月（第2四半期）決算では、純利益が前年同期比8.7％増の11億72600万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は1.20ドルで、市場予想の1.24ドルより弱い。売上高は4.5％増の173億4800万ドルとなり、市場予想の172億7000万ドルを上回った。業界1位のホーム・デポと歩調を合わせ、増収を計上している。既存店売上高も4.3％増と、市場予想の3.9％より増加幅を拡大。そのうち、米国は4.6％増だった。粗利益率は35.5％となり、前年同期の34.6％から上昇。販売・一般管理費は2.6％増の36億3400万ドルで売上の20.9％とながら、前年同期の21.3％を下回った。
2015年度（2016年1月末終了）の見通しは、ホーム・デポとは逆に据え置き。売上高は4−5％増、既存店売上高は4−4.5％増を見込む。希薄後の1株当たり利益は3.29ドルとした。株価は一時0.1％上昇した。
（カバー写真：Kevin Dooley/Flickr）
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