Existing Home Sales Climb To The Highest Level Since 2007, Though Leading Indicator Falls.
全米リアルター協会(NAR)が発表した米7月中古住宅販売件数は年率559万件となり、市場予想の540万件を超えた。前月の548万件(549万件から下方修正)を3.0%上回り、住宅ブームに沸いた2007年2月以来の高水準を達成。過去6ヵ月間では、5回目の増加を示す。前年比では10.3%増と、10ヵ月連続でプラス圏を維持した。
内訳をみると、一戸建てが前月比2.7%増の496万件と3ヵ月連続で増加した。ただし複合住宅は3.1%減の63万件と減少に転じている。
4大地域別では、2地域で増加。前月の4地域を下回った。今回はテキサス州など石油生産地が多い南部は4.1%増の229万件、西部は3.2%増の128万件とそれぞれ3ヵ月連続で増加。一方で北東部が2.8%減の70万件と減少に転じたほか、中西部は横ばいにとどまり増加トレンドを5ヵ月で止めた。
在庫件数は、前月比0.9%増の230万件と5ヵ月連続で増加した。販売件数の伸びが在庫を上回ったため在庫相当は5.0ヵ月と、前月の5.1ヵ月から短期化している。中央価格は前年比で5.6%上昇の23.63万ドル。前月比では3.3%上昇し6ヵ月連続で上向いた結果、2006年のピークを超え過去最高を記録した。売り出し平均期間は42日。少なくとも2013年6月で最も短期化した前月の40日から延びた。
買い手の内訳は、以下の通り。
・差し押さえ物件 5%<前月は6%、前年同月は9%
・ショートセール(担保残債価額よりも安い価額で販売する住宅) 2%=前月は2%、前年同月は6%
・差し押さえとショートセールを合わせた不良債権物件 7%<前月は8%、前年同月は9%
・新規購入者 28%<前月は30%、前年同月は29%
・現金での購入者 23%>前月は22%、前年同月は29%
・住居用ではなく投資向け 13%>前月は12%、前年同月は16%
新規購入者より、投資向け購入者や現金での購入者で前年比の伸びが顕著に。
(出所:NAR)
発表元のNARのローレンス・ユン米エコノミストは、結果を受け「雇用増加とほか金利および住宅価格の上昇見通しが家計に住宅購入を促した」と振り返る。また「ホーム・エクィティを活用し、頭金を用意している」とも指摘。投資用のシェアが高まった背景に説明を加えた。新規購入者数のシェア低下をめぐっては「若い世代は家賃の高騰に比べ賃金は横ばいで、頭金を貯めることが困難になっている」とコメント。手頃な価格の住宅で在庫縮小が顕著であり、住宅購入への壁は厚いとの見解を示した。不動産調査会社ジローとの統計と、整合的である。
▽米7月景気先行指数、予想外に5ヵ月ぶりのマイナス
米7月景気先行指数は前月比0.2%低下の123.3となり、市場予想の0.2%の上昇に反する結果となった。前月の0.6%の上昇にも届かず、5ヵ月ぶりのマイナスへ反転している。一致指数は0.2%上昇の112.5となり、4ヵ月連続で上昇。遅行指数は0.3%上昇の118.1だった。景気先行指数を押し下げた項目は、米7月住宅着工件数で明らかになったように建設許可だった。
発表元であるカンファレンス・ボードのエコノミスト、アタマン・オジルディリム氏は、結果を受け「建設許可が急落しヘッドラインの低下につながったものの、景気先行指数は引き続き年末にかけ緩やかな成長軌道をたどる見通し」と指摘。現況指数を取り上げ「雇用図書徳の増加のほか、鉱工業生産の上向きもあって上昇トレンドをたどる」とまとめた。
——米7月中古住宅販売件数は絶好調ながら、新規購入者のシェアが低下し一抹の不安を残しました。米7月景気先行指数がサプライズの低下を示したとあれば、なおさらです。前日公表された7月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録がハト派寄りだったとはいえ9月利上げの道筋を残すなか、米株相場は9月利上げ見送り催促相場に入ったかのような大幅安を迎えました。
(カバー写真:Jeremy Levine/Flickr)
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