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ヴォーグ今年の9月号、世界の景気減速を先取り!?

by • August 24, 2015 • Latest News, NY TipsComments Off4700

Vogue September Issue Shows The Latest Trend, ‘Slow Economy’ .

今年もやって参りました、ファッション誌が全精力を傾けてお届けする9月号!秋冬シーズンという業界の書き入れ時、総力を尽くし表紙から気合い入りまくりのイシューです。

業界の女帝アナ・ウィンター女史を戴くファッショニスタのバイブル「ヴォーグ」、今年は歌姫ビヨンセが3回目のカバーを飾りました。ピニョノワールな濃密ラメがまぶしいストールを肩に、ヌーディでドリーミィなマーク・ジェイコブスのドレスをまとうディーバ、ここに極まれり。貫禄と色香ただよう姿は、女性ですらノックアウトされてしまいます。

濡れたような髪と、艶やかなデコルテに釘付け。
vogue
(出所 : Vogue via Fashionista

表紙こそ大人の女性らしい余裕に満ち満ちていた半面、成績はさえません。今年は昇竜のごとき成長を謳歌した中国経済にあやかるべくアナ・ウィンター自ら率先し、メット・ガラを始め全面的にチャイナ押しを進めてきました。ところが、思わぬ方向でトレンドを先取りしてしまった。まるで世界景気の減速を象徴するかのように、全体のページ数は832pと前年から22pも減少させていたのです。

肝心の広告ページ数も、当然ながら落ち込んでいます。2014年は2008年以来で最高を記録した2013年から4.5%減の631pでしたが、今年はさらに約15p落として615.02p。今年もファッション誌で最多のページ数を誇るとはいえ、王者の勢いに翳りが見え始めたかのようです。

以下、ファッション誌の広告ページ数ランキング。今年の数字は、ファッショニスタの推計を採用しております。2014年版は、こちらをご覧下さい。

1位 ヴォーグ 615.02p<前年は631p(1位)
2位 エル 439.33p<前年は465p(3位)
3位 インスタイル 448p<前年は485p(2位)
4位 ハーパーズ・バザー 435.33p<前年は444p(4位)
5位 W 294p<前年は303p(5位)
6位 グラマー 230p>215p(前年は8位)
7位 マリー・クレール 228.33p>前年は215p(7位)
8位 ヴァニティ・フェア 212p<前年は232p(8位)
9位 Tマガジン 164p>前年は158p(トップ10圏外)
10位 コスモポリタン、122.2p<185p(トップ10圏外)

そうなんです。2014年はヴォーグ誌の独り負けといった敗北感が濃厚だったものの、今年はトップ10のほとんどがページを減らしていました。メイシーズギャップの決算で明らかになったように、消費者が 1)医療保険、2)電化製品、3)外食などの娯楽——に財布の紐を緩める状況からファッションの予算が減ってしまい、打撃を被った小売業が広告掲載を見送った可能性をちらつかせています。あるいは、広告戦略をネットにギアチェンジさせてきたのでしょう。ヴォーグの9月号と誌面とデジタル広告を連携させた中低所得者層向け百貨店ターゲットのが、アナログ広告を活性化させられるか肝となりそうです。

ファッション業界のモメンタムが失われつつあるとはいえ、9月10日から17日まで開催するNYファッション・ウィークの話題性は引き続き極めて高い。特に今年は、初めてNYメンズ・ファッション・ウィークも成功させただけに、なおさらです。国連総会を控えて世界各国から多くの人が集うこともあり、今年はどんなドラマが生まれるのでしょうか?

(カバー写真 : EventPhotosNYC/Flickr)

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