NFIB Small Business Optimism Edges Up In August.
米連邦準備制度理事会(FRB)の労働市場情勢指数に含まれる米8月NFIB中小企業楽観度指数は95.9となり、市場予想の95.0を上回った。前月の95.4も超え、少なくとも2014年3月以来の低水準を示した6月の94.1から改善を継続。ただ、5月の98.3には届いていない。
発表元である全米独立企業盟(NFIB)のウィリアム・ダンケルベルグ主席エコノミストは、結果を受け「8月は方向感を示しておらず、低下しなかったことが救い」との見解を寄せた。世界同時株安が米国を襲い、中国の人民元切り下げに直面するなかでも「中小企業オーナーは、さほど懸念していないように見える」と指摘。調査期間がセントメントを網羅するに十分ではなく9月に下押しする可能性が横たわるものの、「中小企業は自社への投資を継続しているようだ」と結んだ。
NFIB中小企業楽観度指数、2014年3月以来の低水準から小幅回復。
(出所:NFIB)
内訳をみると、12項目中プラス圏にのせた項目は8項目となり6−7月の7項目から増加。今回は「在庫を拡大させる」がゼロから上昇に転じている。その他「求人件数」、「雇用を増加させる」など雇用関連のほか「売上が拡大する」との項目が上向いた一方、「設備投資を拡大する」、「賃金を拡大する」、「事業拡大に良いタイミング」など前月からの低下も確認しまちまちだった。一方で「黒字トレンドにある」が改善したものの、「経済がより良くなる」は著しくマイナス幅を広げている。以下は、項目ごとの変化。
「求人件数」29%→ 前月の25%から上昇
「設備投資を拡大する」24%→前月と変わらず
「賃金を拡大させる」13%→前月の15%から低下
「事業拡大に良いタイミング」10%→前月の12%から低下
「雇用を増加させる」13%→ 前月の12%から上昇
「売上が拡大する」7%→ 前月の6%から上昇
「販売価格の上昇」1%→前月の5%から低下
「在庫を拡大させる」1%→前月の0%から改善
「経済がより良くなる」−6%→ 前月の−4%から悪化
「在庫満足度」−6%→ 前月の−6%と変わらず
「信用状況が緩和する」−7%→ 前月の−5%から悪化
「黒字トレンドにある」−15%→ 前月の−19%から改善
——米8月NFIB楽観度指数は、米8月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値と同じく中国発・世界景気の減速懸念や株安といった逆風に耐え抜きました。2008年時点で中小企業はGDPの46%を担うだけに、9月利上げ派のエコノミストにとっては心強い内容。来週16−17日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、さらに思惑が交錯しそうです。
(カバー写真:Henning Klokkeråsen/Flickr)
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