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米8月CPI、ガソリンと医療費の鈍化で予想以下

by • September 16, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1778

August Core CPI Shows The Softest Reading In This Year.

米8月消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%低下し、市場予想の±0%に届かなかった。2013年2月以来の伸びを示した5月の0.4%、6月の0.3%、7月の0.1%を経て7ヵ月ぶりにマイナスに転じている。原油先物が2009年3月以来の水準へ下落した後、エネルギーが2.0%の低下に転じたほかガソリン価格も4.1%の低下と大幅に4ヵ月ぶりの反落を示し、全体を押し下げた。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は6月に一時2.835ドルと2014年11月の水準まで切り返したが、8月は一時2.510ドルへ下落。約4ヵ月ぶりの水準へ失速していた。一方で食品・飲料は0.2%上昇し、3ヵ月連続で上向いた。

CPIコアは前月比0.1%の上昇し、7月と変わらず。市場予想の0.2%を下回った。2013年1月以来の高水準を示した4月の0.3%が遠のいている。シェアの大きい帰属家賃は前月の0.3%に続き、0.2%と堅調なペースを維持。家賃も0.3%と、12ヵ月連続で上昇。住宅も0.2%上昇し、3ヵ月連続で上向いた。服飾は0.3%上昇し、2ヵ月連続でプラスをたどる。一方で、サービスは0.1%上昇し前月の0.2%から鈍化。医療費も±0%と前月の0.1%を下回った。航空運賃は3.1%低下し、2ヵ月連続でマイナスに突っ込み全体を押し下げている。新車は前月に6ヵ月ぶりの落ち込みを経て今回は横ばいに反転しつつ、中古車が0.4%低下し4ヵ月連続で下振れ。教育は前月の0.2%から、0.3%の低下に転じた。

CPIの前年比では0.2%上昇し、前月と変わらず。2009年4月以来で最大の落ち込みを記録した4月の0.2%の低下から、4ヵ月連続でプラス圏を維持している。CPIコアの前年比は、3ヵ月連続で1.8%の上昇。5月の1.7%を超え、2014年10月以来の高水準である3−4月の水準に並んだ。

前年比ベースでコアCPI(赤)、CPI(青)はそろって変わらず。

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(出所:BLS)

JPモルガンのジーナ・ブシュラ・サジード米エコノミストは、CPIの結果を受け「ヘッドラインは四捨五入前で0.07%低下し、前月の0.13%を下回って年初来で最低だった」と振り返る。さらに「コア・サービスも0.1%と、年初来平均から伸びを半減させた」と指摘。医療費の減速が一因とした上で「PCEは、CPIの医療費ではなく生産者物価指数を用いる」と説明し、今回は鈍化がみられたものの「コアPCEは7月の1.2%から1.3%へ上昇する」と見込む。

——米8月生産者物価指数とは反対に、米8月CPIは鈍化の兆しが現れました。もっとも、9月利上げ派のJPモルガンが主張するように医療費の押し下げが一因であれば、今回の結果がトレンドを現すとは言えません。米8月CPIは、9月FOMCをめぐる決定打とはならなかったようです。

(カバー写真:Corey Templeton/Flickr)

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