Mortgage Applications Rebound After New Home Loan Rules Introduced.
19日週に発表された米経済指標をお届けします。
▽MBA住宅ローン申請件数指数、規制導入後の急落から小幅回復
全米抵当貸付銀行協会（MBA）住宅ローン申請件数指数は、10月16日週に前週比11.8％上昇した。前週の27.6％の低下からプラスに反転。前週は、住宅ローン規制の変更によりリーマン・ショックの衝撃が冷めやらぬ2009年1月以来の低水準を迎えていた。新規が前週の16.4％上昇し前週の34.1％の低下から転じたほか、借換も8.8％と、前週の22.5％の低下から改善。ただし、前週の下げ幅を相殺できていない。前年比は全体で5.9％低下したほか借換も13.8％とマイナスに落ち込んでいる、新規のみ、8.7％上昇した。
30年固定金利型の住宅ローン金利（平均）は3.95％と、前週まで2週連続で3.99％から低下し4％割れを維持した。2013年5月以来の低水準を示した1月30日週の 3.79％からは、上振れした水準を保つ。15年固定金利型（平均）は、前週の3.20％で変わらず。FHAのローン金利は3.72％となり、前週の3.82％を下回った。
申請全体に占める借換の割合は59.5％と、前週の61.2％から低下。2009年6月以来の低水準となった7月3日週の48.0％から切り返した水準を維持している。2013年5月以来の高水準となった1月16日週の73.9％からは、大きく遠ざかったままだ。
MBAのマイク・フラントーニ主席エコノミストは、結果を受けて「10月3日から貸付真実法（TILA）と不動産決済手続き法（RESPA）を統合した事情を受け、向こう数週間は変動が激しくなる」と予想した。
▽米8月住宅価格指数、夏の盛りに予想以下
米住宅金融公社（FHFA）が発表した米8月住宅価格指数は前月比0.3％となり、市場予想の0.5％より弱い結果となった。前月の0.5％（0.6％から下方修正）を下回り、8ヵ月連続でプラスを示す。前年比では5.5％上昇し、足元で最低だった前月の5.1％から改善した。国勢調査ベースの9地域別では6地域で上昇し、前月の7地域から減少した。
なおこの住宅価格指数は、米連邦住宅貸付機関監督局（OFHEO）傘下のFHFAの場合はプライム層向けの住宅価格がメインで、融資額が政府保証機関（GSE）の買取基準額を超えるジャンボローンや、低所得者層向けのサブプライムを含んでいない。従ってS＆Pケース／シラー住宅価格指数とは対象が異なり、数字自体は現状より強めの数字が出ると言われている。こうした背景からFHFAは2011年6月分から、フレディマックやファニーメイなどGSE以外のローンを含んだ住宅価格指数を拡大版として、公表を開始した。
住宅価格指数、伸び率に鈍化の兆し。
（出所：Bloomberg）
▽米9月景気先行指数、7ヵ月ぶりにマイナス
米9月景気先行指数は前月比0.2％低下の123.3となり、市場予想の0.1％より下げ幅を広げた。7－8月の±0％を経て、7ヵ月ぶりのマイナスへ転じている。内訳をみると、金融市場を直撃したボラティリティ上昇を背景に株式指数の落ち込みが激しい。そのほか米9月住宅着工件数で明らかになった通り建築許可、ISM製造業景況指数の新規受注、平均労働時間が押し下げた。一方で、長短金利差をはじめ米新規失業、消費財受注、消費者期待、信用、誹謗衛材受注が寄与した。
一致指数は0.2％上昇の112.8となり、5ヵ月連続で上昇。遅行指数は0.5％上昇の119.0だった。
発表元であるカンファレンス・ボードのエコノミスト、アタマン・オジルディリム氏は、結果を受け「景気先行指数が低下したとはいえ、米経済は引き続き緩やかな拡大基調をたどると判断できる」と分析した。その上で「足元の弱含みは株式指数、ISM製造業の新規受注、建設許可に集約されている」と指摘。米10－12月期の成長率は「2.5％付近」と予想した。
——規制変更の余波がもろに現れ、住宅ローン申請件数は上昇に転じました。もっとも、前週分の大幅低下を打ち消すほどではなく、ローン申請処理の遅延につながっている様子が伺えます。住宅販売件数も、影響は回避できないでしょう。価格の押し下げ圧力につながれば需要を喚起する期待が膨らむ半面、米9月雇用統計の流れが続く場合に楽観は禁物です。
（カバー写真：elysiumcore/Flickr）
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