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米10月ADP全国雇用者数、20万人割れも巡航速度

by • November 5, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1510

Private Sector Employment Increased More Than Expected.

米10月ADP全国雇用者数は前月比18.2万人増となり、市場予想の18.0万人増を若干上回った。前月の19.0万人増(20.0万人増から下方修正)以下となり、2ヵ月連続で20万人の大台を割り込んでいる。2010年2月以来の増加トレンドは維持。なおADP全国雇用者数は民間のみであり、政府を含まない。

ADP全国雇用者数、年初来で20万人乗せは3回のみ。
adp
(出所:ADP)

内訳は、以下の通り。

▽企業規模別
中小企業 15.3万人増、増加トレンドを維持>前月は8.9万人増
大企業 2.9万人増、11ヵ月連続で増加<前月は10.1万人増

▽業種別
・サービス業 15.8万人増、直近で最低<前月は18.2万人増
(米10月ISM非製造業景況指数の雇用は、前月の58.3から59.2へ上昇)
・貿易/輸送/公益 3.5万人増<前月は3.8万人増
・金融 0.9万人増、直近で最低<前月は1.2万人増、3ヵ月ぶり高水準
・専門/ビジネス・サービス(派遣を含む) 1.3万人増<前月は3.1万人増

・財生産業 2.4万人増>前月は0.8万人増
米10月ISM製造業景況指数の雇用は前月の50.5から47.6と6ヵ月ぶり分岐点割れ)
・製造業 0.2万人減、2ヵ月連続で減少>前月は1.7万人減
・建設 3.5万人増、直近で最高>前月は3.4万人増

ADPとともに統計を担当するムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ主席エコノミストは、結果を受けて「労働市場は、政府がまとめる雇用統計と対照的に鈍化していない」との見方を示す。雇用の伸びは20万人近くを保ち、「弱いセクターはエネルギーと製造業のみに限られる」と指摘。また民間の雇用のうち42.9%を占める「中小企業が寄与している」と述べ、楽観的なトーンで結んだ。

バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受け「米10月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)の予想を17.5万人増、失業率は5.0%」で据え置いた。失業率は、9月の5.1%から低下する見通し。ブルームバーグでの米10月雇用統計・NFP予想は、18.2万人増。民間就労者数は16.9万人増であり、米10月ADP雇用者数よりやや弱い数字となっている。

——米10月ADP全国雇用者数20万人割れを維持したが、8-9月の米雇用統計・NFPの15万人割れは回避する公算です。前年と過去と比較すると物足りない伸びですが、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長をはじめ、Fedは年内利上げ路線を変更せず。ホリデー商戦での臨時雇用を通じた巻き返しを確認すれば利上げ開始に弾みがつくのでしょう。その場合は、後出しジャンケンのごとく時間差で下方修正される余地も残ります。

(カバー写真 : Celine Nadeau/Flickr)

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