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ISM製造業景況指数とマークイットに、一筋の光り

by • November 4, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1223

ISM Manufacturing Index And Markit PMI Show Some Good Signs.

米ISM製造業景況指数やマークイットが発表した景況感指数をおさらいしていきます。

米10月ISM製造業景況指数は50.1となり、市場予想の50をわずかに上回った。前月の50.2には届かず、2013年5月以来の低水準。6ヵ月平均の51.7がやや遠ざかった。内訳は以下の通りで、雇用が6ヵ月ぶりに分岐点を割り込んだ。在庫も直近で最も弱い。ただし続新規受注をはじめ生産、仕入れ価格などは前月から改善。ヘッドラインほど、失望を誘う内容ではなかった。

・新規受注 52.9>前月は50.1、6ヵ月平均は53.8
・生産 52.9>前月は51.8、6ヵ月平均は53.8
・雇用 47.6、6ヵ月ぶりの分岐点割れで09年8月以来の低水準<前月は50.5、6ヵ月平均は51.5

・在庫 46.5、4ヵ月連続で分岐点割れ<前月は48.5、6ヵ月平均は49.6
・新規輸出受注 47.5、5ヵ月連続で分岐点割れ>前月は46.5、6ヵ月平均は48.0
・仕入れ価格 39.0、分岐点割れを継続>前月は38.0、6ヵ月平均は43.2

・入荷時間 50.4、3ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は502、6ヵ月平均は50.0
・受注残 42.5、5ヵ月連続で分岐点割れ>前月は41.5、6ヵ月平均は45.6

BNPパリバのブリックリン・ドワイヤー米エコノミストは、今回の結果につき「18業種のうち、7業種が拡大を報告し9月と変わらなかった」と指摘した。6地区連銀の製造業景況指数のうち、ISM換算で4地区連銀が前月を上回ったとし「今回は整合性がとれなかった」ともコメント。ドル高の影響と原油安の影響で「製造業活動が芳しくないことを確認しており、米10月雇用統計で爪痕がみられるだろう」と結んだ。

▽米10月マークイット製造業PMI確報値、改善の兆し

米10月マークイット製造業PMI・確報値は、市場予想および速報値の54.0を若干上回った。2013年10月以来の低水準近くから、回復の兆しを見せている。内訳をみると、新規受注が上方修正したほか、雇用も2014年6月以来の水準から改善していた。

10月も、約2年ぶりの低水準近くにとどまる。
pmi
(出所:Markit)

マークイットのクリス・ウィリアムソン主席エコノミストは結果を受け「2年ぶりの低水準から漸く明るい兆しをみせた」と指摘した。また「生産が年率4%増の水準へ持ち直したほか、新規輸出受注も雇用が上向いたようにドル高に対応しつつある」と評価。製造業活動がこのまま巡航速度で回復すれば「Fedは年内に利上げを開始しうる」と予想しつつ、ディスインフレがくすぶるほかサービス業が弱含みのサインを点灯させているため利上げ開始には「議論の余地がある」とまとめた。

(カバー写真:Rob./Flickr)

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