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米10月住宅着工件数、複合住宅が押し下げ8ヵ月ぶり低水準

by • November 22, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1386

Multifamily Unit Pushed Down Housing Starts To 8-Month Low.

米10月住宅着工件数は年率106.0万件となり、市場予想の116.0万件より弱い結果となった。大寒波に泣いた3月以来の低水準。2007年10月以来で2番目の高水準だった前月の119.1万件(120.6万件から下方修正)を11.0%下回った。

内訳をみると、複合住宅が前月比25.1%減の33.8万件と過去4ヵ月間で3回目の減少を示した。一戸建ても2.4%減の72.2万件と、減少に反転。4ヵ月ぶりの低水準を迎えた。前年比での住宅着工件数は1.8%減となり、前月の16.1%増から減少に転じている。7ヵ月ぶりのマイナスに落ち込んだ。一戸建ては2.4%増と前月の12.0%増から大幅に伸びを縮小しつつ、7ヵ月連続で増加。もっとも、複合住宅が9.6%減となり3ヵ月ぶりに減少に転じている。

4大地域別では、2地域で増加。前月の3地域から減少した。今回は北東部が10.2%増の14.0万件と2ヵ月連続で2桁減を示す。中西部も15.0%増の16.1万件と、増加に反転。一方で南部は18.6%減の50.6万件と、5ヵ月ぶりに減少した。減少率は2014年11月以来で最大を記録している。西部も16.2%減の25.3万件となり、減少に反転。ただし西部は複数が弱かった程度で、一戸建でのみの場合は2ヵ月連続で増加していた。

米10月建設許可件数は115.0万件となり、市場予想の114.7万件を超えた。大寒波を経て減少した3月以来の低水準を迎えた前月の110.5万件(110.0万件から下方修正)を3.8%上回る。

内訳をみると、複合住宅が6.8%増の43.9万件と。6ヵ月ぶりの水準へ落ち込んだ前月から改善した。一戸建ても2.4%増の71.1万件で、直近で久々に70万件の大台に乗せた。建設許可件数の前年比は2.7%増と、前月の4.7%増(速報値)から鈍化しつつ11ヵ月続けてプラス。一戸建てが9.0%増と支えており、複合住宅は6.2%減と久々に減少へ転じた。

住宅着工件数、リセッション前の水準回復は遠い。
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(出所:My Big Apple NY)

米10月建設中件数は前月比0.9%増の93.8万件となった。増加トレンドを維持するなか、件数ベースでは少なくとも2009年以来の高水準を達成。一戸建てが1.8%増の40.7万件と8ヵ月連続で増加したほか、賃貸需要を背景に複合住宅も0.2%増の53.1万件と14ヵ月連続で増えた。

モルガン・スタンレーのテッド・ウィーズマン米エコノミストは、複合住宅で予想外に落ち込んだ点につき「高まる賃貸需要、厳格な住宅ローン基準(MBAとNAHBを参照)、世帯増加率を踏まえると、今回の弱さが続くとは想定しづらい」と分析する。年初来で複合住宅が住宅着工に占める割合が「36%と少なくとも1980年代からの最高に達した」ことから、調整が入った可能性を示唆。ただし「10~12月期の住宅投資予想を従来の前期比年率7.7%増から5.3%増へ下方修正するとともに、同国内総生産(GDP)見通しも従来の1.5%から1.4%へ引き下げる」とまとめた。

——米10月住宅着工件数・一戸建てのうち75%が販売目的とされるため、54.2万件が住宅市場に流れ込む見通しです。新築住宅販売件数の水準を踏まえれば在庫に余裕が出てくる可能性がくすぶり、住宅着工件数が強含むかには疑問が残ります。

(カバー写真:MSU Infrastructure Planning and Facilities/Flickr)

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