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ブラック・フライデーの小売店売上高は惨敗も、あちらは好調

by • November 29, 2015 • Latest News, NY TipsComments Off5215

Black Friday Store Sales Sunk This Year Because..

サンクスギビング・デー明けといえば、アメリカ人がこぞって街に出掛けお買い物を楽しむブラック・フライデーですいね。今年は、惨敗に終わりました。

調査会社ショッパートラックの試算では、小売店(1200店が対象、オンラインを除く)での売上高は前年比10.3%減の104億ドル(約1兆2580億円)に終わっています。サンクスギビング・デーも10%減の18億ドルと、そろって前年割れ。総額は、121億ドルでした。

ショッパートラックのケビン・カーンズ最高売上担当責任者(CRO)は、結果に対し「今年はブラック・フライデーの広告がハロウィーン前から展開したため、消費者は前倒しで支出したとみられる」と分析しています。

敗因にはもうひとつ、オンラインの台頭が挙げられます。パソコンやスマートフォンの普及で大混雑極まりない小売店へ足を向けるより、暖房のきいた快適な我が家でショッピングする方が断然楽チンですものね。アドビの調査(4500件の小売サイトが対象、米国の小売上位100社の電子決済の8割を含む)では、サンクスギビング・デーとブラック・フライデー両日の売上高が前年比18%増の44.5億ドルと過去最高を記録しました。内訳はサンクスギビング・デーが17.3億ドル、ブラック・フライデーは27.5億ドルとなります。

オンライン小売売上高、着実に増加中。
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(出所:Adobe via Tech Crunch

売上高のうち33.2%がモバイル端末で、前年の27%を超えました。サンクスギビング・デーのモバイル端末での売上高は6億3900万ドルとなり、内訳ではiOSが4.56億ドルで71%、アンドロイドは28%で1.8億ドル。ブラック・フライデーでは9.05億ドルをモバイル端末が占め、iOSが6.7億ドルで74%、アンドロイドは2.3億ドルで25%を占めました。

IBMの調査でもブラック・フライデーの売上高は14.3%増の27億ドルとなり、2桁増を達成しました。平均決済額も20.7%増の134.45ドルだったといいます。人気商品はアップル・ウォッチ、マイクロソフトのタブレット「サーフェス4」、ソニーやサムスンのTVが挙がっていました。

金額ベースでは小売実店舗での売上に届かなかったとはいえ、オンライン売上高の勢いを感じさせます。特にオンラインの場合、eメールでセール告知ができるためそのままネットに接続して買い物が楽しめる利点もありますし、今後も広がりをみせることでしょう。高齢化が進めば、買い物葉ネットで済ませる傾向が高まりそうです。

ところでブラック・フライデー、なぜそう呼ばれているかご存知ですか?

サンクスギビング・デーの歴史から紐解いていきましょう。

リンカーン元大統領といえば奴隷制を廃止した偉人とされますが、南北戦争当時、11月の最終木曜日を感謝祭として国民の休日に制定した人物でもあります。ところが約70年後の1939年、最終木曜日が月末の30日にぶつかってしまいました。世界恐慌から10年後とあってクリスマスまでの期間が短縮し、ホリデー商戦の売上減少を恐れた小売業者が当時のルーズベルト米大統領に変更を懇願。これが聞き入れられて11月第4週の木曜日に変更されたため、ホリデー商戦期間は確実に24日以上を確保できるようになったのです。

ブラック・フライデーの語源として、「ブラック」が黒字を指すと言われているがそれは後付けといっても過言ではありません。そもそも、1987年10月19日に発生した米株市場最大の暴落を記録した日を「ブラック・マンデー」と呼ぶように、市場の急落を意味していたんですよね。初めて「ブラック・フライデー」という言葉が大々的に取り上げられたのは、1869年8月。エリー鉄道の経営陣で資本家のジェイ・グールド氏とジェームズ・フィスク氏が金価格の上昇に目を付け、鉄道輸送量の増加につながると目論みから金の買い占めに動き、翌月に金価格の暴落を招く「ブラック・フライデー」を引き起こしたわけです。1929年の世界恐慌を招いたとの説もあり、とても景気の良い話ではありません。

1950年代には、現在使用されている感謝祭の翌日の金曜日という意味で「ブラック・フライデー」が使われ始めたが、理由はその日に従業員が病欠を取ってしまうため経営者にとって仕事にならない嘆きが込められていました。1960年にかけては、ペンシルベニア州フィラデルフィアの警官の間で「ブラック・フライデー」が頻繁に使われるようになります。サンクスギビング・デー明けの混雑極まりない交通状況を捌くという、過酷な12時間シフトを表す言葉でした。それから「ブラック・フライデー」が感謝祭明けを指す言葉として浸透していき、90年代後半のITバブルを経て2000年頃に定着した格好です。

現在では感謝祭の週末明けに、サイバー・マンデーが待ち構えています。インターネットの普及に着目し、全米小売業協会が2005年11月28日からオンラインでの買い物を活性化させるためにスタートさせました。ただし、ブラック・フライデーに吸収され始め存在感は薄まりつつあります。

(カバー写真:Mahat Tattva Dasa/Flickr)

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