End of Crude Oil Export Ban May Come Sooner As Democrats Ready For Trade-Off With GOP.
米下院の民主党は14日、共和党に対し前年度に続く1.1兆ドルの歳出案あるいは期限切れを迎える減税延長包括案との交換条件で原油輸出の解禁を承認する構えを見せた。ブルームバーグが伝えた。2016年度(2015年9月~2016年10月)暫定予算案が17日に期限切れを迎えるためで、ライアン米下院議長は14日の(ウィスコンシン州)カンファレンス・コールにて共和党議員に対し協議に楽観的な姿勢を示したという。
民主党が目指す減税包括案には、2017末に期限切れ予定の子育て向け税控除をはじめ勤労所得控除、大学授業料控除、さらに再生可能エネルギー向け税控除などが挙げられる。米上院院内幹事のジョン・コーニン議員(テキサス州)は、民主党は原油輸出承認を人質に多くを要求し過ぎるとし「民主党は欲張りすぎるように聞こえる」と批判した。
原油先物、2009年2月以来の安値で踏みとどまるか。
(出所:Stockcharts)
米下院で原油輸出法案は2度可決したものの、オバマ米大統領が拒否権を発動する構えを崩していない。ただ原油先物が2009年2月以来の安値で推移するなかで、4日の総会で浮き彫りになったように石油輸出国機構(OPEC)の足並みが乱れており、米国が原油市場で指導力を発揮する可能性がちらつく。また米国内で石油関連企業におけるエネルギー関連の人員削減件数が11月までの年初来で前年比で800%増を超えるだけに、経済支援という側面からも民主党が原油輸出を頑なに反対するメリットは大きいとは言えない。共和党が民主党の条件全てを呑むとは考えられないが、原油輸出と引き換えに再生可能エネルギーを軸とした税控除の延長を容認すれば、妥結への道は拓かれよう。
(カバー写真:WFblogs/Flickr)
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