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米11月チャレンジャー人員削減予定数、1年2ヵ月ぶり低水準

by • December 4, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2018

Job Cuts Hit Lowest In 14 Months In November.

米11月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比13.9%減の3万953人と2ヵ月連続で減少した。10月の5万504万人からは、38.7%も減少。1年2ヵ月ぶりの低水準を示す。前月に続きエネルギー産業の人員削減を確認しつつ、全体での比率は8.6%と前月の34.3%から低下した。チャレンジャー人員削減予定数は、年初来で27.6%増の57万4,888人だった。

4大地域別では、2地域で減少。前月の1地域を上回った。今回はIT関連企業が集まる西部が74.0%減の2万3,644人と、2ヵ月連続で減少した。中西部が前月比48.2%減の6,981人となる。北東部のみ29.2%増の8,315人と、前月に続き2桁増に。エネルギー産業が集中する南部も36.5%増の9,460人となり、2ヵ月連続で増加した。

発表元であるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのジョン・チャレンジャー最高経営責任者(CEO)は、結果を受けて「10-12月期は業績調整に絡み人員削減が増加する傾向が高いものの、12月に急増する嵐の前の静けさなのか全体的に人員削減が減少しているためか11月は良好な数字となった」と振り返る。可能性としては「前者が優勢」とも指摘。12月の人員削減予定数は金融危機が直撃した2008年こそ16万6,348人と過去2番目となる最悪な結果を示したものの、2009年以降の平均は3万5,784人と落ち着いているという。

1−11月に人員削減が多かったセクター、ランキングは以下の通りで%は前年同期比を示す。9月分と、ランキングに変更はない。

1位 エネルギー 808%増の9万2,727人
2位 政府 216%増の7万29人
3位 小売 58%増の6万5,609人
4位 コンピューター 5.8%増の6万1,516人
5位 産業財 119%増の5万4,845人

11月人員削減予定件数のセクター別をみると、1位はドル高と海外需要の低下に喘ぐ産業財で7,398人だった。次いで輸送が4,370人、前月に1位だったエネルギーは3位で2,675人だった。

リストラ実施の理由、11月のランキングは以下の通り。トップは1位に再編が前月の2位から浮上し、2位も前月に5位だったコスト削減がランクアップしていた。前月に1位だった原油安は、3位へ落ちている。製薬大手ファイザーによるアラガン買収が報じられたように、合併・買収(M&A)が4位に食い込んだ。

1位 再編 1万4,267人 年初来 18万4682人(全体の32.1%)
2位 コスト削減 4,888人 年初来 9万9,048人(全体の17.2%)
3位 原油安 1,355人 年初来 10万2,738人(全体の17.9%)
4位 M&A 932人 年初来 2万4,749人(全体の4.3%)
5位 需要低下 590人 年初来 2万5,003人(全体の4.3%)

採用予定人数は1万26人となり、ホリデー商戦前に小売セクタ―を中心に急増した前月の8万6,107人から大幅に減少した。1位は新車販売台数が好調な自動車で2,674人と、2位はヘルスケアで1600人、3位はホリデー商戦前に食品で1,340人だった。

▽米新規失業保険申請件数、前週から増加も27万人割れ維持

米新規失業保険申請件数は11月28日週に26.9万件と、市場予想と一致した。前週の26.0万件から増加したとはいえ、2週連続で27万件割れを迎えている。1973年11月24日以来の低水準に並んだ10月24日週の25.6万件を視野に入れた水準を維持した。米労働省は今回、特殊要因を挙げていない。4週平均は26万9,250件と前週から減少しつつ、1973年12月以来の低水準に至った3週前の25万9250件を上回った水準を保つ。なお前年同月比13.9%減の3万953人と2ヵ月連続で減少した。

11月21日週までの継続受給者数は216.1万件となり、前週の215.5万人を超えた、2000年11月以来の低水準を記録した10月24日週の214.6万件(修正値)を超える水準を継続している。被保険者に占める失業者の割合は10週連続で1.6%となり、1971年以来の最低に並ぶ。
joblessclaims
(出所:My Big Apple NY、単位は千人)

州別で増加が目立ったのはカリフォルニア州で7,941人増となり、3週ぶりに増加に転じた。次いでイリノイ州で3617人増、ミネソタ州で2064人増、アイオワ州で2064人増、ウィスコンシン州で1994人増と寒冷な北部で目立つ。一方で減少した州はルイジアナ州で792人減、ロードアイランドで207人減だった。

——米11月チャレンジャー人員削減予定件数は、米11月ADP全国雇用者数と歩調を合わせ大きく改善しました。米新規失業保険申請件数も現状は良好で、米11月雇用統計・非農業部門就労者数が10月に続き20万人台を突破する期待が掛かります。

(カバー写真: Glen Darrud/Flickr)

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