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米1月消費者信頼感指数、世界同時株安局面でも上昇

by • January 27, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2066

Consumer Confidence Inches Up Amid Stock Market Turmoil.

米1月消費者信頼感指数とともに、米1月マークイット・サービス業PMI速報値を振り返ります。

米1月消費者信頼感指数は98.1となり、市場予想の96.5を上回った。前月の96.3(96.5から下方修正)を超え、3ヵ月ぶり高水準。3ヵ月平均は95.7と前月の96.0を下回り6ヵ月ぶりの水準へ鈍化した。内訳をみると現況指数が116.4と前月値に並び、10-11月の下振れを解消しつつある。見通し指数も85.9と、3ヵ月ぶりの水準へ上向いた。

発表元であるカンファレンス・ボードのリン・フランコ経済指標ディレクターは、今回の結果に対し「消費者センチメントは小幅上昇した」と振り返る。特に見通し指数の改善に触れ「金融市場のボラティリティが経済にマイナスの影響を与えるとは、想定していないようだ」と結んだ。

消費者信頼感指数、上昇しつつリセッション前の平均値103.5が遠い。
cb
(作成:カンファレンス・ボードよりMy Big Apple NY)

今回は現状の労働市場に対し「職が豊富」から「職探しが困難」を引いたDIは、マイナス0.6。12月のマイナス0.3から下げ幅を広げ、2008年1月以来のブレークイーブン超えを果たした8月の0.4がやや遠ざかった。以下は、結果の詳細。

ビジネス環境については、「良い」が上昇し「悪い」が低下
「良い」27.2%→前月の27.1%から上昇、前年同月は28.2%
「悪い」18.5%→前月の18.9%から低下、前年同月は17.3%

労働市場については、「豊富」と「困難」が低下しDIは5ヵ月連続でマイナス圏
「職が豊富」22.8%→前月の24.2%から低下、前年同月は20.7%
「職探しが困難」23.4%→前月の24.5%から低下、前年同月は24.6%

6ヵ月先のビジネス環境への見方は「良くなる」が上昇、「悪化する」は低下
「良くなる」16.2%→前月の14.5%から上昇、前年同月は18.9%
「悪化する」10.3%→前月の10.8%から低下、前年同月は8.2%

6ヵ月先の労働市場への見方は「増加」が上昇、「減少」が低下しつつ「減少」が5ヵ月連続で「増加」を上回る
「雇用が増加する」13.2%→前月の12.4%から上昇し、前年同月は17.3%
「雇用が減少する」16.5%→前月の16.8%から低下し、前年同月は14.8%

6ヵ月先の所得への見方は「増加」と「減少」がそろって上昇
「増加する」18.1%→前月の16.3%から上昇、前年同月は19.5%
「減少する」10.8%→前月の9.5%から上昇、前年同月は10.8%

購入見通しは、そろって上昇した。世界同時株安を受けながら金利低下により、ローンが必要な高額な支出への意欲が高まった可能性を示す。特に住宅と主要機器が上振れし、それぞれ6.6%と52.4%と直近で最高に。自動車は12.2%と前月の11.7%を上回った。

▽米1月マークイット製造業PMI・速報値は上方修正も、約2年ぶり低水

米1月マークイット・サービス業PMI速報値は54.3となり、市場予想の54.0を下回った。前月の54.3にも届かず。2014年12月以来の水準へ低下している。引き続き、統計が開始した2009年後半からの平均値55.8にも届いていない。内訳をみると、生産の落ち込みが激しく1年ぶりの低水準だった。一方で、新規ビジネスは11ヵ月間で最低だった前月から改善。雇用も4ヵ月ぶりの高水準となる。製造業と合わせた総合PMIは53.7と前月の54.0以下となり、こちらも約1年ぶりの低水準だった。

クリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受けて「製造業活動と同じく、不吉なスタートを切った」との見解を寄せる。2016年の成長率は「前期比年率1.5%増」を予想しつつ、「企業の信頼感指数が5年ぶり低水準であることを踏まえると、悪化は織り込み済みだろう」と指摘。ただし金融市場のボラティリティをはじめ世界景気の鈍化、エネルギー市場の下落が「企業の痛手となり、数カ月先はセンチメントの弱含みが続く」と見込む。

――米1月消費者信頼感指数は米連邦公開市場委員会(FOMC)が2006年6月以来の利上げに踏み切ったものの、見通し指数に支えられ上昇しました。米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げ動向を見極める上で重要な雇用も、現況こそ「増加する」が低下したとはいえ、見通し指数は改善。ビジネス環境も低金利の恩恵と利上げ頻度縮小観測もあって上昇しており、消費者信頼感指数では個人支出」が成長の足を引っ張る兆しは見られません。米1月マークイット・サービス業PMI速報値はヘッドラインこそ約1年ぶり低水準ながら新規受注や雇用が回復しており、消費は活性化せずとも年内細く長く伸びていく見通しです。

(カバー写真:elysiumcore/Flickr)

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