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米11月S&P/ケースシラー住宅価格指数、16ヵ月ぶり高水準

by • January 27, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1998

Home Prices Accelerate Fastest Pace In 16-Month Before Lift-Off.

米11月S&P/ケースシラー住宅価格指数(季節調整前、20都市別)は前年同月比5.83%上昇の182.86となり、市場予想の5.69%を上回った。伸び率は前月の5.50%(5.54%から下方修正)を超え、2014年7月以来の高水準。2年6ヵ月連続でプラス圏を保ちつつ、2013年2月以来の10%割れは維持した。季節調整済み・20都市別の前月比は0.94%の上昇と市場予想の0.80%および前月の0.78%(0.84%から下方修正)を上抜け、3ヵ月連続で上昇した。

都市別2012年からの上昇率、サブプライム・バブルが発生した西部や南部が目立つ。

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(出所:S&P Dow Jones Indices)

季節調整済みでは、10月に続き前月比で全て上昇。上昇率トップはノースカロライナ州シャーロットで1.36%、2位は直近2ヵ月にわたって最下位だったミシガン州デトロイトで1.32%と値下がりが目立った都市がカムバックを果たした。3位はオレゴン州ポートランドが入る。10月はカリフォルニア州サンフランシスコとワシントン州シアトルが同率首位、3位はフロリダ州タンパだった。ワースト1位はネバダ州ラスベガスで0.31%上昇、2位はマサチューセッツ州ボストンで0.43%、3位はオハイオ州クリーブランドで0.55%だった。10月はワースト1位が9月に続きミシガン州デトロイトで0.20%の上昇、2位はネバダ州ラスベガスで0.21%の上昇、3位はカリフォルニア州サンディエゴで0.22%の上昇となった。

発表元のS&Pダウ・ジョーンズ・インデシーズのデビッド・ビルザー会長は、結果に対し「低い住宅ローン金利、在庫ひっ迫、労働市場の改善を追い風に住宅価格は上昇幅を広げた」と振り返る。中古住宅販売件数は2015年に前年比6.5%増、売り出し期間は4.8ヵ月である事情を踏まえると「売り手市場と判断できる」と指摘。都市別では「テキサス州ダラスをはじめコロラド州デンバー、オレゴン州ポートランドが過去最高を遂げ、カリフォルニア州サンフランシスコは前回ピークに並んだ」といい、西部や南部での躍進が目立つ。

▽米11月住宅価格指数、10ヵ月連続で上昇

米住宅金融公社(FHFA)が発表した米11月住宅価格指数は前月比0.5%となり、市場予想に並んだ。前月の0.5%を含め、11ヵ月連続でプラスを示す。前年比では5.9%上昇し前月の6.1%以下ながら、足元で最低だった8月の5.1%から改善をたどった。国勢調査ベースの9地域別では6地域で上昇、前月の8地域から減少した。

なおこの住宅価格指数は、米連邦住宅貸付機関監督局(OFHEO)傘下のFHFAの場合はプライム層向けの住宅価格がメインで、融資額が政府保証機関(GSE)の買取基準額を超えるジャンボローンや、低所得者層向けのサブプライムを含んでいない。従ってS&Pケース/シラー住宅価格指数とは対象が異なり、数字自体は現状より強めの数字が出ると言われている。こうした背景からFHFAは2011年6月分から、フレディマックやファニーメイなどGSE以外のローンを含んだ住宅価格指数を拡大版として、公表を開始した。

――住宅価格指数は上昇をたどりますが、米12月中古住宅販売件数は2007年以来で3番目の高水準ながら、MBA住宅ローン申請件数指数を振り返ると新規需要が拡大する気配は見られません。リスク・オフ相場で金利が低下している点は追い風ながら、景気減速およびリストラの陰が迫りつつあり、住宅市場が順風満帆と評価しづらくなってきました。

(カバー写真:Doug Kerr/Flickr)

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