MBA Mortgage Loan Applications Surge, Reacting Low Rates.
遅ればせながら、MBA住宅ローン申請件数指数と米1月財政収支をおさらいしていきます。
全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、2月5日週に前週比9.3%上昇し503.6だった。前週の低下分(2.6%)を補って余りある上昇を遂げている。特に借換が15.8%上昇の2117.2と、5週連続でプラスを示した。新規は前週に7.0%低下した後、0.2%上昇の221.6と小幅反発している。前年比(季節調整前)は全体で0.3%低下し、前週の17.7%低下から大きく下げ幅を狭めた。新規は25.1%上昇し、前週の16.6%から伸びを拡大。借換も11.6%低下し、前週の31.5%から下げ幅を縮小させた。
MBA住宅ローン申請件数指数、直近は借換が支え。
(作成:My Big Apple NY)
30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は3.91%と、前週の3.97%から低下した。世界同時株安が波及し日銀がマイナス金利導入を決定するなか、安全資産である国債へ資金が流入、住宅ローン金利もつれて、2013年5月以来の低水準を示した2015年1月30日週の 3.79%に迫りつつある。15年固定金利型(平均)は前週の3.22%から3.18%へ低下し、直近で最低を更新。FHAのローン金利も3.72%と、前週の3.80%を下回った。
申請全体に占める借換の割合は61.0%と、前週の59.2%から上昇した。とはいえ、2009年6月以来の低水準となった2015年7月3日週の48.0%から切り返した水準を維持している。ただし2013年5月以来の高水準となった今年の1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。
――住宅ローン金利は4%を割り込んだため借換が押し上げ、新規も小幅ながら上昇しています。30年物住宅ローン金利が2013年5月17日週以来の水準へ低下した賜物でしょう。世界同時株安、米景気への減速懸念、相次ぐリストラなどといった悪材料を乗り越え、住宅市場にとっては心強いニュースです。借換は銀行の手数料収入を押し上げる利点もあり、新規ほどではないにしてもプラス要因。雇用情勢がよほど悪化しなければ、金利低下という誘引が悲観的観測を払拭する可能性が仄かに出てきました。
▽米1月財政黒字は予想より拡大、カレンダー要因が寄与
米1月財政黒字は前年同月比551.63億ドルと、市場予想の500億ドルより拡大した。前年同月の175.46億ドルの赤字から黒字に転換。歳入が2.2%増の3135.79億ドルだった一方で、歳出が20.3%減の2584.16億ドルと大きく減少し黒字反転を促した。特に1月1日が月曜日あたったため、社会保障費の支払いが2015年12月に前倒しされた影響も、黒字計上につながっている。
年度初来(2015年10月~2016年1月)までの財政赤字は前年同期比17.4%減の1603億9100万ドルと、順調に減少をたどった。米議会予算局(CBO)の予想では、2016年度(2015年10月~2016年9月)の財政赤字は5440億ドル。2015年度の財政赤字は9%減の4390億ドルと20007年以来で最低だったが、7年ぶりに増加する見通しだ。2015年12月に企業向け優遇税制法案が通過したほか、2015年11月に合意した2017年度までの予算案で強制削減を上回る支出を承認し、裁量支出も2016年度に500億ドル、2017年度に300億ドル増額することを盛り込んだため、赤字拡大が見込まれている。
(カバー写真:Jeremy Erickson/Flickr)
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