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米2月LMCI、予想外にマイナスで2009年6月以来最低

by • March 8, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2185

LMCI Surprisingly Falls For 2-Month In A Row.

米2月LMCIと、米1月消費者信用残高をおさらいしていきます。

米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した米2月労働市場情勢指数(LMCI)は2.4ポイント低下し、市場予想の1に反しマイナスに転じた。2009年6月以来の最低を示す。米2月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)が20万台を回復した一方で賃金が予想外に低下した通り、労働市場の回復はまちまちな様相を呈しLMCIにも反映されたようだ。1月分も0.4からマイナス0.8に下方修正されたため、2ヵ月連続でマイナスに陥った。2ヵ月連続での低下は、2012年5~6月以来初めてとなる。

景気後退に陥った2007年12月から2009年6月まで約370ポイント低下した後、回復サイクルに入ってから325.4ポイント取り戻した。景気が改善していく過程での平均上昇幅は約4ポイントであることを踏まえれば、向こう8ヵ月で低下幅を相殺する見通しだ。ただし、足元の上昇ペースが平均値を下回るだけに景気後退に陥った後の穴埋めに時間が掛かる可能性がくすぶる。

LMCI、まさかの2ヵ月連続低下

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(作成:My Big Apple NY)

――米2月雇用統計は、1月分に反し非農業部門就労者数が20万人の大台を回復したものの、平均時給が前月比でマイナスに転じてしまいました。おかげで、LMCIは2ヵ月連続でマイナスに。2月は労働参加率が上昇したにも関わらず失業率が4.9%とリーマン・ショック以前の低水準をたどるなど好調のようで、賃金のほか長期失業者などを含めた全方位での改善は進んでいないように見えます。FOMCメンバーは、どのように判断を下すのでしょうか?

ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のFed番、ヒルゼンラス記者は米連邦準備制度理事会(FRB)理事メンバーでのタカ派はフィッシャーFRB副議長、ハト派はブレイナードFRB理事と指摘していました。ヒルゼンラス記者の発言を裏打ちするように、ブレイナードFRB理事は7日の講演で低インフレへの警戒を強調し、追加利上げに慎重であるべきとの見解を表明しています。CNBCでのインタビューでは海外動向の力強い「逆流(crosscurrents)」、つまり世界経済の減速などに言及すると同時に、米経済回復の進展を「保護し、守る(preserve and protect)」ことの必要性を力説しました。2月も「経過観察(watchful waiting)」が重要との見解を打ち出しており、ハト派路線を貫いています。

フィッシャーFRB副議長も同日、講演を行い「我々が望んだように、恐らく現時点で物価が上昇の第一段階にあると見なせるだろう」と発言しています。また、フィリップ・カーブと失業率の相関性は崩れていないとも指摘。つまり失業率が低下するとともに、インフレが上昇する可能性に言及していたというわけです。均衡実質金利に関する認識でも、現状は歴史的な低水準で今後も傾向が続くように見えるものの「過去には長きにわたる振れと短期的な変化があった」と付け加えています。ブレイナードFRB理事と比較して、利上げに前向きな姿勢が伺えますね。

フィッシャーFRB副議長は、マイナス金利に対し「日本と欧州で効果を疑問視する声が上がっているものの、影響を及ぼさないとの証左はない」と発言。さらに、ゼロ近辺金利政策の状況でも、量的緩和(QE)は効果を発揮できるとの考えを明らかにしました。2月と同じく、Fedによるマイナス金利導入に否定的な見解を挟み込んでいます。少なくとも、マイナス金利を織り込んだミネアポリス連銀のコチャラコタ前総裁と比べると、タカ派寄りです。

問題は、イエレンFRB議長がタカハト派の見解をどのように舵取りしていくのか。バランス感覚を発揮し過ぎれば、マーケットがハト派寄りを期待しているだけに米株高に冷や水を浴びせかねません。

▽米1月消費者信用残高、ホリデー商戦明けに回転信用が減少

米1月消費者信用残高は前期比年率105.38億ドル増(3.6%増)の3兆5436億ドルなり、市場予想の170億ドルを上回った。前月の213.84億ドル(212.67億ドルから修正)に続き、2011年9月以来の増加基調をたどる。

クレジットカードなどを指す回転信用は11億ドル減(1.3%減)の9353億ドルと、2015年2月以来の減少に転じた。 了したため、消費者のクレジットカード利用が細った様子が伺える。自動車ローンや学生ローンを含む非回転信用は116億ドル増(5.4%増)の2兆6083億ドルと、増加トレンドを維持した。

1月は回転信用が減少、足元のレンジからの脱却は遠い。

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(作成:My Big Apple NY)

――消費者信用残高は、可処分所得における純債務が107%程度と非常に低い水準を維持するにも関わらず伸び悩み基調へ戻してしまいました。米1月小売売上高は好調だっただけに、世界同時株安などの衝撃がセンチメントを押し下げたというよりホリデー商戦明けが響いたのでしょう。米1月消費者信頼感指数などは大きく冷え込んでいないだけに、2月は信用回転が増加する期待が募ります。

(カバー写真:astrid westvang/Flickr)

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