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米4月フィリーは再び分岐点割れ、見通し指数は強含み

by • April 22, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2129

Philly Manufacturing Index Surprisingly Turns Negative.

米4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(フィリー)はマイナス1.6となり、市場予想の9を下回った。2015年1月以来の高水準を遂げた前月の12.4から急落し、2015年9月以降から続く分岐点割れに戻している

主要な項目の内訳も、軒並み悪化した。出荷が4ヵ月ぶりに分岐点を割り込んだだけでなく、2012年9月以来の水準へ沈んでいる。平均労働時間をはじめ受注残や入荷時間も、分岐点割れへ押し返された。雇用や在庫はマイナス幅を拡大、前者に至ってはリーマン・ショック冷めやらぬ2009年以来の水準へ落ち込んでいる。詳細は、以下の通り。

・新規受注 ゼロ<前月は15.7で3ヵ月ぶりに分岐点を回復し2014年11月以来の高水準、6ヵ月平均はマイナス1.7
・出荷 マイナス10.8、4ヵ月ぶりに分岐点割れで2012年9月以来の低水準<前月は22.1で2014年7月以来の高水準、6ヵ月平均は3.9
・在庫 マイナス20.5で2013年4月以来の低水準<マイナス12.7、6ヵ月平均はマイナス13.6

・雇用 マイナス18.5、2009年7月以来の低水準<前月はマイナス1.1、6ヵ月平均はマイナス6.8
・週当たり平均労働時間 マイナス16.2、4ヵ月連続の分岐点割れで2012年7月以来の低水準<前月はマイナス1.1、6ヵ月平均はマイナス6.8

・受注残 マイナ6.3<前月はマイナス1.9、6ヵ月平均はマイナス8.6
・入荷時間 マイナス9.9<前月は0.3で2014年11月以来の分岐点回復、6ヵ月平均はマイナス7.1

・仕入れ価格 13.2、9ヵ月ぶりに分岐点回復>前月はマイナス0.9、6ヵ月平均はマイナス1.1
・販売価格 7.4、2014年10月以来の高水準>前月は3.5、6ヵ月平均はマイナス1.5

6ヵ月先見通し指数は42.2と、前月の28.8を超え2014年12月以来の高水準を達成した。項目別をみると、軒並み上昇。新規受注(48.7>前月は38.8)をはじめ、出荷(41.0>前月は34.2)、雇用(14.2>前月は6.3)、設備投資(12.7>前月は13.3)、平均労働時間(12.5>前月は9.2)、在庫(マイナス3.9<前月はマイナス14.0)となる。そのほか仕入れ価格(36.7>前月は24.7)、販売価格(22.6>前月は15.1)も、上昇。入荷時間や受注残も、改善を遂げた。

現況(オレンジ)は急低下、見通し(グレー)は急伸と正反対の結果に。

philly

(出所:Federal Reserve Bank Of Philadelphia)

今回の特別項目は、企業支出について。過去数年と比較した各分野での支出動向は以下の通り。

・データ/ネットワーク 企業市支出のうち4.7% 増加 60% 減少 4.6%
・工場/人員など 企業支出のうち2.8% 増加 31.3% 減少 3.1%
・規制対応 企業支出のうち4.8% 増加 73.9% 減少 0%

JPモルガンのジェシー・エドガートン米エコノミストは、変動の激しさに留意した一方「原油価格の上昇、ドル高一服、在庫調整一巡を背景に製造業活動は底打ちしつつあるとの認識だったが、意識をあらためる必要がありそうだ」とまとめた。

――米4月NY連銀製造業景況指数と裏腹に、米4月フィリーは急落しました。単月だけで判断するのは早計ですが、軟調が続く米3月鉱工業生産と整合的。ISM製造業景況指数を含む製造業景況指数は3月から一斉に改善したものの、生産活動が実際に好転してきたのかは疑問が残ります。

(カバー写真:Morgan Burke/Flickr)

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