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米4月耐久財受注、設備投資の減速継続を示唆

by • May 30, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2386

Strong Durable Goods Orders Show Weak Equipment Investment In Q2.

米4月耐久財受注と米5月カンザス連銀製造業景況指数をおさらいしていきます。

米4月耐久財受注は前月比3.4%増となり、市場予想の0.5%増より加速した。前月の1.9%増(0.8%増から上方修正)を超え、過去6ヵ月間で3回目の増加を示す。防衛財が3.7%増と前月の80.7%増に続き増加したほか、輸送機器も力強くヘッドラインを押し上げた。

輸送用機器は8.9%増となり、前月の5.3%増に続き増加した。民間航空機が牽引しただけでなく、自動車も好調だった。

・民間航空機 64.9%増>前月は2.0%減、6ヵ月平均は4.9%増
・自動車 2.9%増>前月は2.9%増、6ヵ月平均は0.7%増

輸送用機器を除く場合は0.4%増となり、市場予想の0.3%増を上回った。前月の0.1%増(0.2%減から下方修正)を含め、過去6ヵ月間で3回目の増加を示す。

コア資本財(企業の設備投資を示す航空機を除いた非防衛財)は、市場予想の0.3%増に反し0.8%減とマイナスに落ち込んだ。前月の0.1%減(0.1%増から下方修正)を含め、過去6ヵ月間で5回目の減少を迎えている。内訳をみると、米4月鉱工業生産こそ改善したものの、製造業が下振れトレンドへ戻した。

(増加項目)
・組み立て金属 3.1%増、3ヵ月ぶりに増加>前月は1.6%減、6ヵ月平均は0.7%減
・電気機器 0.5%増、4ヵ月ぶりに増加>前月は1.1%減、6ヵ月平均は2.5%減
・コンピューター/電子機器 1.9%増、2ヵ月連続で増加>前月は0.5%増、6ヵ月平均は0.2%減
・一次金属 ±0%<前月は1.9%増、6ヵ月平均は0.4%減

(減少項目)
・機械 1.9%減、3ヵ月連続で減少<前月は0.8%減、6ヵ月平均は1.3%減

耐久財出荷は前月比0.6%増となり、前月の0.8%減(修正値)から転じ3ヵ月ぶりに増加した。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財は0.3%増となり、市場予想の0.1%増を上回った。前月の0.3%減(0.5%増から下方修正)から増加に転じたとはいえ、過去6ヵ月で一度しか増加していない

コア資本財は受注と出荷ともに弱く、引き続きGDPにネガティブ。

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(作成:My Big Apple NY)

耐久財在庫は0.2%減となり、前月の0.2%減(修正値)に続き年初来からの減少基調を維持した。過去6ヵ月間では、2015年12月の1回のみ増加していない状況で変わらず。在庫が減少一方で出荷が増加したため、在庫相当は前月の1.67ヵ月から1.65ヵ月へ短縮し3ヵ月ぶりの水準となった。

JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受けて「ヘッドラインこそ力強い伸びだったが民間航空機が牽引した程度で、企業の設備投資需要の鈍さを確認した」と振り返る。その上で「当方の米4-6月期GDP予想、2.0%増から上振れリスクが後退した」との見解を寄せた。またコア資本財は過去分が下方修正されたため「米1-3月期GDP確報値の予想も、1.0%増から0.9%増」へ下方修正改定値の水準は上回る見通しだ。

▽米5月カンザスシティ連銀製造業景況指数、15ヵ月連続で低下

米5月カンザスシティ連銀製造業景況指数はマイナス5となり、市場予想のマイナス3より悪化した。前月のマイナス4を含め、15ヵ月連続で分岐点割れとなる。3月には、2009年4月以来で最低となる前月のマイナス12を示していた。項目別動向は新規受注をはじめ生産、出荷がマイナス幅を維持。雇用や平均労働時間は、前月からマイナス幅を広げた。仕入れ価格も、マイナス幅を広げ原油先物の反発を反映していない。見通し指数は4となり、直近で最高を遂げた10から鈍化した。

――米4月耐久財受注といい、米5月カンザスシティ連銀製造業景況指数といい製造業活動に明るい兆しは見えません。米5月ISM製造業景況指数は27日時点で50.4が見込まれ前月の50.8から小幅低下にとどまる見通しですが、再び3ヵ月ぶりの分岐点割れを目指す気配が漂います。

(カバー写真:MizzChievouz/Flickr)

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