ISM Service Index Softens, Employment Turns Negative.
米ISM非製造業景況指数やマークイットが発表した景況感指数をおさらいしていきます。
米5月ISM非製造業景況指数は52.9となり、市場予想の55.3を下回った。前月の55.7にも届かず、2014年2月以来の低水準。ISM製造業景況指数が入荷時間や仕入れ価格に支えられ辛うじて分岐点を維持するなか、サービス活動も下振れした。
内訳をみるとビジネス活動をはじめ新規受注が弱く、雇用や新規輸出受注に至っては分岐点割れを示した。詳細は、以下の通り。
・ビジネス活動 55.1<前月は58.8、6ヵ月平均は57.5
・新規受注 54.2、直近で最低<前月は59.9、6ヵ月平均は57.0
・雇用 49.7、3ヵ月ぶりの分岐点割れ<前月は53.0、6ヵ月平均は51.9
・新規輸出受注 49.7、4ヵ月ぶりに分岐点割れ<前月は56.5、6ヵ月平均は52.8
・在庫変化 54.0=前月は54.0、5ヵ月ぶりの高水準、6ヵ月平均は52.9
・仕入れ価格 55.6、2ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は53.4、6ヵ月平均は50.2
▽米5月マークイット製造業PMI確報値、分岐点割れが視野
米5月マークイット・サービス業PMI確報値は51.3となり、速報値の51.2から上方修正された。ただ前月の52.8以下にとどり、2月に49.7だったように債務上限引き上げ及び暫定予算交渉の行き詰まりで政府機関が閉鎖された2013年以来の分岐点割れを意識した。内訳をみると、雇用が2015年1月以来の低水準に。見通し指数に至っては、2009年10月の統計開始以来で最低となる。総合PMIは50.9で、速報値の50.8から上方修正。もっとも前月の52.4を下回り、2013年10月以来の50割れを視野に入れた。
マークイット、足元は分岐点割れを探る状況。
クリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受けて「景気回復以来で最低にとどまり、4~6月期の成長回復に勢いが乏しいことを確認した」と振り返る。見通し指数も同じく低迷しており「企業は米大統領選における不透明性を受け、内需と外需への懸念を募らせているようだ」と指摘。米4~6月期の成長率は「0.7~0.8%増」程度を見込み、アトランタ地区連銀やNY地区連銀の2%超を大幅に下回る水準を予想した。
――米5月ISM非製造業景況指数と米5月マークイット・サービス業PMIをみると、米5月雇用統計が予想外に下振れしたのも納得です。製造業を直撃した原油安やドル高の余波がラグを置いてサービス業に波及した可能性は否定できません。米5月雇用統計の結果が1~3月期決算で相次いだリストラ発表によるものでなければ6月の反動増は見込みづらい。米5月チャレンジャー人員削減予定数は改善していたのはせめてもの救いですが、どこまで回復できるのか注目です。
(カバー写真:Mo Riza/Flickr)
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