Markit Manufacturing PMI Rebounds In June.
米6月マークイット製造業PMI・速報値は51.4となり、市場予想の50.9を上回った。2009年9月以来の水準へ低下した前月の50.7も超えつつ、金融危機以前の平均値54.1にはまだ距離を残す。内訳をみると、生産が前月の49.4から50.9、雇用も49.7から52.5とそれぞれ分岐点を回復した。新規受注も前月の51.7から52.4へ上昇している。
マークイット製造業PMI、09年以来の最低から改善。
（作成：My Big Apple NY）
マークイットのクリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受け「製造業の改善に良いニュースを運んだ」と振り返る。輸出売上へ見方が楽観的になっており「昨年からドル高が緩和した影響」を挙げた。雇用についても評価しつつ「生産と雇用は、4～6月期に2009年以来で最低」とも指摘。引き続き、製造業が成長の伸びを抑える懸念を寄せた。
▽米6月カンザスシティ連銀製造業景況指数、16ヵ月ぶりに分岐点回復
米6月カンザスシティ連銀製造業景況指数は2となり、市場予想及び前月のマイナス5を上回った。16ヵ月ぶりに分岐点を回復している。なお3月には、2009年4月以来で最低となる前月のマイナス12を示していた。
項目別動向は、生産が12と前月のマイナス11から大幅に上昇し全体に寄与。新規受注も4と、2015年11月以来の分岐点を回復した。雇用はマイナス4と分岐点割れを維持しつつ、前月から9ポイント下げ幅を縮小。平均労働時間は1と、前月のマイナス1と2014年6月以来の高水準を遂げた。仕入れ価格は12と、前月の13とほぼ変わらなかった。
――米6月マークイット製造業PMI・速報値や米6月カンザスシティ連銀製造業景況指数は改善を遂げ、製造業の回復を期待させる内容となりました。半面、米5月鉱工業生産は失望に終わり、ドル高一服や原油買い戻しの好材料が反映されていません。さらに23日実施の英国民投票で、BREXIT派が過半数に達し金融市場にボラティリティの嵐が直撃しています。せっかく上向いた製造業センチメントを少なくとも短期的に冷やしかねず、来月に再び下振れするリスクは否定できません。
（カバー写真：Damien Sachs-Dromsön/Flickr）
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