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米5月中古住宅販売成約件数指数、中古住宅販売に鈍化の兆し

by • July 1, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1584

Pending Home Sales Tumbles in May.

米5月中古住宅販売成約件数指数、MBA住宅ローン申請件数指数をおさらいしていきます。

米5月中古住宅販売成約件数指数は前月比3.7%低下の110.8となり、市場予想の1.1%より下げ幅を広げた。前月の3.9%の上昇(5.1%から下方修正)を打消し、4ヵ月ぶりに低下。過去6ヵ月で2回目の上昇を示す。季節調整前の前年比では2.4%上昇し、市場予想の4.6%に届かず。前月の1.8%(2.9%から下方修正)は上回り、21ヵ月連続でプラスを示す。

4大地域別では、前月まで3ヵ月連続にて3地域での上昇を経て、今回は全て低下した。今回は北東部が5.3%低下し、3ヵ月ぶりにマイナスに落ち込んだ。中西部は4.2%低下し、2ヵ月連続で低下。IT産業を多く抱える西部は3.4%と前月の11.4%の上昇から反転し、石油生産地の南部も3.1%低下し4ヵ月ぶりにマイナスに転じた。

発表元である全米リアルター協会(NAR)のローレンス・ユン主席エコノミストは、結果を受け前月の反動と振り返りつつ「手頃な価格の住宅在庫の乏しさが、買い手にフラストレーションを与えている」とのコメントを寄せた。

なお中古住宅販売成約件数指数は、中古の一戸建ておよびコンドミニアムにおける契約が仮契約から最終契約にいたった件数を指数化したもので、中古住宅販売件数は引き渡しの件数を示す。従って、成約件数の約80%が1-2カ月後に中古住宅販売件数として組み込まれる。

▽MBA住宅ローン申請件数指数は上昇、金利低下で借換が支え

全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、6月24日週に前週比2.6%低下し508.4だった。前週の2.9%の上昇から反転し、過去5週間で3回目の低下を示す。借換が2.4%低下の2136.4とマイナスに反転。新規も3.0%低下の224.9と3週連続で低下した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は惨憺たる結果に終わった米5月雇用統計を受け金利据え置きを決定、FF金利見通しなど下方修正したため金利も低下したが、BREXIT問題が影響したのか下振れした。MBA住宅ローン申請件数指数の前年比(季節調整前)は37.6%上昇し、前週の34.8%から加速。新規が12.9%の上昇(前週は11.7%の上昇)、借換も63.4%(前週は58.7%の上昇)とそれぞれ上向いた。

30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は前週の3.79%から3.76%へ低下した。1年前の4.19%以下にとどまり、過去3年間で最低近くを保つ。15年固定金利型(平均)は前週の3.06%から3.04%へ低下。FHAのローン金利も、前週の3.75%から3.70%へ低下した。

MBA住宅ローン申請件数指数、低金利を支えとし連休明けに大幅反発。

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(作成:My Big Apple NY)

申請全体に占める借換の割合(件数ベース)は58.0%と、前週の57.7%から低下した。2009年6月以来の低水準である2015年7月3日週の48.0%から切り返した水準を維持。ただし2013年5月以来の高水準となった2015年1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。

――米5月中古住宅販売成約件数指数は、2~3ヵ月先の中古住宅販売件数が鈍化する可能性を点灯させました。金利低下が呼び水になると言いたいところですが、雇用が減速すれば住宅購入を手控えるリスクも。MBA住宅ローン申請件数指数では新規が伸び悩む状況で、好調だった米5月中古住宅販売件数のようにこれまで成長を下支えしてきた住宅市場の拡大ペースに翳りが出て来てもおかしくありません。

(カバー写真:Violette79/Flickr)

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