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米9月NAHB住宅市場指数、約1年ぶりの高水準に並ぶ

by • September 23, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2020

Builder Confidence Surges To 10-Year High.

米9月NAHB住宅市場指数、MBA住宅ローン申請件数指数、米7月住宅価格指数をおさらいしていきます。

米9月NAHB住宅市場指数は65となり、市場予想の60を上回った。前月の59(60から下方修正)を超え、10年ぶりの最高に達した2015年10月の水準に並ぶ。9月利上げ観測が台頭するとともに金利が上昇したものの、力強い伸びを遂げた。

内訳をみると、一戸建て現況指数が前月の65から71へ上昇し景気回復サイクルで最高に達した。一戸建て見通し指数は前月の66から71をつけ、こちらも直近で最高に。見込み客指数も48と、2015年11月以来の高水準に並ぶ。

全体的に上向きつつ、見込み客指数のみ低下。

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(作成:My Big Apple NY)

4大地域別での住宅市場指数は、全て上昇し前月の2地域を上回った。特にIT産業が集まる西部が82と前月の68から急伸、文句なしに景気回復サイクルで最高を遂げている。石油生産州を含む南部は前月の64から68と、直近で最高に。北東部も前月の42から43、中西部も前月の53から56へ上向いた。

発表元である全米ホームビルダー協会(NAHB)のエド・ブレイディ会長は、結果を受け「家計の所得が増えるにつれ、建築業者は購入に真剣な買い手を確認しセンチメントを押し上げた」と振り返る。その上で一戸建て市場の力強さは「2017年にかけて続く」と強気な姿勢を明らかにした。ロバート・ディエス主席エコノミストは「在庫のひっ迫を踏まえ、建築業者は住宅を建てればすぐに売れるとの自信を持つ」と指摘。堅調な労働市場や低金利が需要を押し上げる一方で「建築業者は、人材や建築現場の不足に直面している」と付け加え楽観一辺倒といった見方でもない

▽MBA住宅ローン申請件数指数、金利上昇を背景に4週ぶり低下

全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、9月16日週に前週比7.3%低下し530.8だった。前週の4.2%の上昇から転じ、4週ぶりにマイナス。借換が7.6%低下し2309.6だったほか、新規も6.8%低下の221.1とそれぞれ4週ぶりに転落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)を翌週に控え、9月利上げ警戒感から金利が上昇したため需要が削がれたようだ。MBA住宅ローン申請件数指数の前年比(季節調整前)は16.5%上昇。新規が3.3%の上昇だった一方、借換が26.0%の上昇と支えている。

30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は、前週の3.67%から3.70%へ上昇した。1年前の4.09%以下にとどまる。15年固定金利型(平均)は前週の2.87%から2.96%へ急伸。FHAのローン金利は、前週の3.50%から3.56%へ上振れした。

MBA住宅ローン申請件数指数、金利が落ち着き上昇に反転。

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(作成:My Big Apple NY)

申請全体に占める借換の割合(件数ベース)は63.1%と、前週の62.9%から上昇した。2009年6月以来の低水準を示した2015年7月3日週の48.0%から切り返した水準を維持。ただし2013年5月以来の高水準となった2015年1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。

▽米7月住宅価格指数は4ヵ月ぶりの高水準、全地域で上昇

米住宅金融公社(FHFA)が発表した米7月宅価格指数は前月比0.5%上昇し、市場予想の0.3%を上回った。4ヵ月ぶりの高水準。前月の0.3%の上昇(0.2%から上方修正)を超え、19 ヵ月連続でプラスを示す。前年比は5.8%上昇し6月の5.6%から加速しつつ、1〜3月の6%台から鈍化を継続した。国勢調査ベースの9地域別では全て上昇、前月の7地域を上回った。

FHFAが公表する住宅価格指数は、米連邦住宅貸付機関監督局(OFHEO)傘下のFHFAの場合はプライム層向けの住宅価格がメインで、融資額が政府保証機関(GSE)の買取基準額を超えるジャンボ・ローンや、低所得者層向けのサブプライムを含んでいない。従ってS&Pケース/シラー住宅価格指数とは対象が異なり、数字自体は現状より強めの数字が出ると言われている。こうした背景からFHFAは2011年6月分から、フレディマックやファニーメイなどGSE以外のローンを含んだ住宅価格指数を拡大版として、公表を開始した。

――米9月NAHB住宅市場指数が大幅上昇したため在庫ひっ迫が解消される期待が高まるものの、土地不足もあって早急に解決するかは不透明です。また、9月利上げ観測の高まりを背景に駆け込み需要が出た可能性も。金利が上昇するなかで高止まりする住宅価格をものともせず買いに行けるかは微妙と言えるでしょう。既に米9月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値で住宅や自動車など購入見通しが軒並み下振れしており、楽観は禁物です。

(カバー写真:MissMessie/Flickr)

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