Markit Service PMI Brightens Before Holiday Season.
米10月マークイット・サービス業PMI、米新規失業保険申請件数をおさらいしていきます。
米10月マークイット・サービス業PMI速報値は54.8となり、市場予想の52.5を上回った。前月の52.3も超え、2015年11月以来の高水準。総合指数も54.9と、前月の52.3を上回った。
ティム・ムーア・シニアエコノミストは、結果を受けて「製造業PMIと合わせ、米10~12月期成長率は2%が期待できる」と指摘した。前月比での上げ幅は、「過去2年間で最高」とも評価。ただし「雇用は芳しくなく、企業は利鞘縮小を受けて採用に慎重」との見解を寄せた。
ISMとマークイット、そろって前月から改善。
――ホリデー商戦前に、米10月マークイット・サービス業PMI速報値は約1年ぶりの高水準を達成し、ホリデー商戦への期待を高めます。良好なホリデー商戦見通しを下支えする一方、アマゾンの結果は気掛かり。またマークイット・サービス業PMIには雇用に力強さが欠け、米10月雇用統計・非農業部門就労者数の臨時雇用に懸念を残します。
▽米新規失業保険申請件数、4週平均は約1ヵ月ぶりの高水準
米新規失業保険申請件数は10月22日週に25.8万件と、市場予想の25.6万件を上回った。9月10日週以来の26万件に乗せた前週(26.1万件、26.0万件から修正)からは改善。労働省は特殊要因を指摘せず、30万件割れは86週連続と1970年以来で最長だという。4週平均は25万3000件と2週連続で増加し、約1ヵ月ぶりの高水準だった。
10月22日週までの継続受給者数は203.9万人と前週の205.4万人(修正値)を下回り、2000年以来の最低を示す。被保険者に占める失業者の割合は、6週連続で過去最低の1.5%を保った。
米新規失業保険申請件数の4週平均は低下トレンドを維持も、米9月LMCIとは乖離。
(作成:My Big Apple NY)
10月22日週の州別動向は、以下の通り。
(増加が顕著だった州)
・ケンタッキー 5644人増
・ミシガン 2874人増
・カリフォルニア 2588人増(前週は5141人増)
・ノースカロライナ 2370人増
・ニューヨーク 2178人増(前週は2558人増)
→輸送/倉庫、宿泊/外食が牽引
(減少が顕著だった州)
・ペンシルベニア 4188人減(前週は3698人増、今回は4週ぶりに減少)
・テキサス 2268人減(前週は2558人増)
・ミズーリ 1913人減
・イリノイ 1757人減
・ワシントン 1066人減
――米新規失業保険申請件数は、10月15日週までカリフォルニア州やニューヨーク州が牽引してきました。10月22日週は逆にこうした州で改善し、減少に反転しています。とあいえ、4週平均で明らかなように全体的に上向きの兆しを見せ、ホリデー商戦での消費の足を引っ張りかねません。
(カバー写真:Ian Freimuth/Flickr)
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