Consumer Price Index Stays In The Range While Producer Price Data Accelerate.
米11月消費者物価指数、米11月生産者物価指数をおさらいしていきます。
米11月消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇し、市場予想と並んだ。4月に続き2013年20月以来の強い伸びを達成した前月の0.4%から鈍化している。原油先物が50ドル台での安定推移を目指すなか、エネルギーが2.5%上昇し全体を牽引。ガソリン価格も3.2%と力強い。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は2月に一時1.724ドルへ下落し2009年3月以来の2ドル割れを示した後、11月は2.15~2.20ドル付近で小動きだった。食品・飲料は0.1%低下し、マイナス基調をたどった。
CPIコアは9月に続き前月比0.2%上昇し、市場予想に並んだ。前月の0.1%を超えつつ、2011年8月以来の高水準に並んだ8月の0.3%には届いていない。項目別動向は、以下の通り。
・帰属家賃 0.3%の上昇=前月は0.3%の上昇
・家賃 0.3%の上昇<前月は0.4%の上昇
・サービス 0.3%の上昇>前月は0.2%の上昇
・医療サービス 0.2%の上昇>前月は±0%
・服飾 0.5%の低下<前月は0.3%の上昇
・教育 0.1%の上昇>前月は0.6%の低下
・中古車 0.3%の上昇>前月は0.1%の低下
・新車 0.1%の低下<前月は0.2%の上昇
・航空運賃 1.3%の低下>前月は2.2%の低下
CPIの前年比では市場予想通り1.7%上昇し、前月の1.6%を超え2014年10月の水準を回復した。CPIコアの前年比は2.1%の上昇にとどまり、市場予想の2.2%に届かず。2012年5月以来の高水準だった8月の2.3%以下が続く。
コアCPIは2%超えを維持も、レンジ内をキープ。
▽米11月PPI、エネルギーは好調もサービスが弱い
米11月生産者物価指数(PPI)は前月比0.4%上昇し、市場予想の0.1%を上回った。前月の±0%から加速。PPIコアも前月比0.4%上昇し、市場予想の0.2%はもちろん前月の0.2%の低下から転じた。PPIとコアPPIはそろって前月比で5か月ぶりの高水準となる。
PPIは前年同月比で1.3%上昇し、市場予想の0.9%並びに前月の0.8%を超え2014年11月以来の高水準を示す。コアPPIは1.6%と前月の1.2%から上振れし、2015年1月以来のレベルに達した。
内訳をみると、全体の6割を超えるサービスが0.5%上昇し3ヵ月ぶりにマイナスに落ち込んだ前月から改善した。1割弱を占める輸送・倉庫は0.1%上昇し、小幅ながら3ヵ月連続で上昇。サービスのうち6割を占めるその他サービスも0.1%上昇し、前月からプラスに転じた。サービスのうち3割を占める貿易に至っては、1.3%上昇し5ヵ月ぶりに上向いた。
モノは0.2%上昇し、前月の0.4%を含め3ヵ月連続で上昇した。エネルギーが前月の2.5%から0.3%へ低下したものの、食品が0.6%上昇し補った。
――米11月PPIは原油価格の戻りもあって上振れし、12月FOMCでの利上げを正当化させています。米11月CPIこそレンジ内とはいえ、徐々に浸透してくる可能性も。問題は賃金で、トランプ新政権が企業の設備投資と採用を刺激するかがカギとなります。
(カバー写真:Chris Ford/Flickr)
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