Pending Home Sales Index Dips, Higher Rates Push Demand Down.
米11月中古住宅販売成約件数指数と、MBA住宅ローン申請件数指数をおさらいしていきます。
米11月中古住宅販売成約件数指数は前月比2.5%低下の107.3となり、市場予想の0.5%の上昇に届かなかった。前月の0.1%から、過去6ヵ月間で3回目のマイナスとなる。指数ベースでは、11ヵ月ぶりの低水準だった。季節調整前の前年比では1.4%上昇し前月の0.2%を超え、4ヵ月連続で上昇した。
4大地域別では、前月比にて1地域のみ上昇し10月の3地域から減少した。特にIT産業が多い西部が6.7%低下(3ヵ月ぶりにマイナス)し全体の足を引っ張ったほか、中西部も2.5%低下しマイナスに反転、住宅市場規模が最も大きい南部は1.2%低下し2ヵ月連続で低下した。北東部のみ0.6%上昇、2ヵ月連続で上向いた。
発表元である全米リアルター協会(NAR)のローレンス・ユン主席エコノミストは、結果を受け「急激な金利上昇に直面し、値上がりも重なって買い手が手控えモードに入った」と説明する。ただ、2016年の中古住宅販売件数の予想は「542万件」都市従来の536万件から上方修正、前年の525万件を超えるだけでなく2006年以来で最高を記録する公算だ。
なお中古住宅販売成約件数指数は、中古の一戸建ておよびコンドミニアムにおける契約が仮契約から最終契約にいたった件数を指数化したもので、中古住宅販売件数は引き渡しの件数を示す。従って、成約件数の約80%が1~2カ月後に中古住宅販売件数として組み込まれる。
▽MBA住宅ローン申請件数指数は小幅上昇、金利上低下で借り換えが支え
全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、12月30日週に前週比0.1%上昇した。過去5週間で2回目の上昇を示す。借換が1.7%上昇し、前週の23.2%の低下から小幅反発。新規も1.4%の低下と2週連続で落ち込んだ。住宅ローン申請件数指数は前年比では7.6%低下し、借換も13.0%のマイナス。新規もついに0.9%と低下を示した。
30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は前週の4.45%から低下し4.39%となりつつ、前年同期の4.20%も上回ったままだ。15年固定金利型(平均)は3.64%と、前週の3.70%から低下。FHAのローン金利は、前週の4.22%で変わらなかった。
MBA住宅ローン申請件数指数、前年比ではマイナスが続く状況。
(作成:My Big Apple NY)
――住宅市場には、やはり金利上昇の余波が及んでおります。中古住宅販売成約件数指数が中古住宅販売の先行指標なだけに、2007年以来で最高を記録した11月から減速は必至。MBA住宅ローン申請件数指数も金利が低下した割に新規はさえず、住宅市場が弱まれば住宅内装関連の消費も鈍化する気配が漂います。
(カバー写真:Jon/Flickr)
Comments
米12月ISM製造業景況指数は2年ぶり高水準、雇用も改善 Next Post:
12月FOMC議事録、財政出動を受けた景気次第で再投資の修正示唆