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米4~6月期労働生産性・速報値、前期から改善も低水準を維持

by • August 14, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1282

U.S. Q2 Productivity Improves But The Pace Remains Tepid.

米4~6月期労働生産性・速報値、MBA住宅ローン申請件数指数、米6月卸売在庫をおさらいしていきます。

米4~6月期労働生産性・速報値は前期比年率0.9%上昇し、市場予想の0.7%を上回った。前期の0.1%の上昇(±0%から上方修正)に続き、5期連続でプラスとなる。内訳は、以下の通り。生産が速報値から改善した分、労働時間が延びたものの実質賃金はマイナス幅が速報値から広がった。

・生産 3.4%、上昇トレンドを維持>前期は1.8%
・労働時間 2.5%、7期連続で上昇>前期は1.6%
・時間当たり賃金 1.6%、5期連続で上昇<前期は5.5%
・実質賃金 1.9%、2期連続で上昇<前期は2.3%
・単位労働コスト(一定量を生産するために必要な労働経費を示す) 0.6%、2期連続の上昇<前期は5.4%の上昇

前年比での労働生産性は前期と同じく1.2%上昇し、3期連続のプラスを示した。逆に単位労働コストは0.2%低下し、前期の0.7%の上昇から転じた。

労働生産性、前年比は伸び悩み傾向継続。
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(作成:My Big Apple NY)

――国内総生産(GDP)の改定に伴い、労働生産性なども2014年分から修正されました。結果、2016年の労働生産性は0.2%の低下と、通期で1982年以来のマイナスに落ち込んでいます。翻って1~3月期の労働生産性は、2007年以降の平均に一致する程度。第2次世界大戦以降の平均値2.1%が遠のき、潜在成長率の低下を示唆しました。

▽MBA住宅ローン申請件数指数、金利低下をバネに上昇

全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、8月4日週に前週比3.0%上昇し418.7となった。前週の2.8%の低下からプラスに反転。過去5週間で3回目の上昇を示す。借換が5.3%上昇の1433.2と前週の低下を打ち消し合ほか、新規も0.8%上昇の273.7と前週の2.0%からプラス圏を取り戻した。住宅ローン申請件数指数は前年比では24.6%低下し、マイナス基調を維持している。

30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は前週の4.17%から4.14%へ低下した。前年同期の3.65%を上回ったままだ。15年固定金利型(平均)は3.41%と、前週の3.45%から低下。FHAのローン金利は4.02%と、こちらも4.07%を下回った。

MBA住宅ローン申請件数指数、前年比ではマイナスが続く状況。
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(作成:My Big Apple NY)

申請全体に占める借換の割合(件数ベース)は46.7%と、前週の45.5%から上昇した。少なくとも、2009年6月以来の低水準となる。2013年5月以来の高水準となった2015年1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。

▽米6月卸売在庫、6ヵ月ぶりの高水準で自動車やコンピューターが支え

米6月卸売在庫は前月比0.7%増加し、市場予想の0.6%を上回った。前月の0.6%を含め、2ヵ月連続で増加。伸び率としては、6ヵ月ぶりの力強い伸びとなる。内訳では耐久財が0.5%増と2ヵ月連続で上昇、特に自動車が1.4%、コンピューターが1.7%と支えた。非耐久財は1.0%増となり、薬品が2.4%増、食品が0.9%増だった。

卸売在庫は前月比0.7%増加し、市場予想の±0%を上回った。前月の5月の0.1%の減少(0.5%の低下から上方修正)を含め、4ヵ月連続での減少に歯止めを掛けている。在庫相当は1.29ヵ月と、前月と変わらなかった。

――卸売在庫は、2016年10~12月期や2017年1~3月期の減速を経て改善の兆しを見せています。米4~6月期GDP改定値は、在庫投資が牽引し上方修正される可能性が高い。ただ6月は四半期末で在庫が上振れするケースが高く、7月も強含むかは不透明です。

9日までの経済指標の結果を受け、アトランタ地区連銀は米7~9月期GDP予測値を従来の前期比年率3.7%増から3.5%増へ下方修正しました。1~3月期と同じく、高い位置から徐々に引き下げられつつあります。翻ってNY地区連銀の予測値は、11日時点で2.0%増を維持。気になるエコノミストの予想平均は2.2%増で、こうしてみると7~9月期もGDPは3%超えを果たせそうにありません。

(カバー写真:Edward Bilodeau/Flickr)

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