Housing Starts Fall To 1-Year Low, Housing Permits Also Weak.
米9月住宅着工件数、MBA住宅ローン申請件数指数をおさらいしていきます。
米9月住宅着工件数は年率112.7万件と、市場予想の117.5万件を下回った。前月の118.3万件(118.0万件から上方修正)4.7%下回り、3ヵ月連続で減少。1年ぶりの低水準となる。前年比では6.1%増と、過去6ヵ月間で4回目の増加を示した。
内訳をみると、一戸建てが前月比4.6%減の82.9万件と減少に転じ、複合住宅は5.1%減の29.8万件と3ヵ月連続で減少した。一戸建ての前年比は5.9%増と前月の19.5%増から伸びを縮めつつ増加基調を維持。複合住宅は6.8%増と前月の28.1%減から改善、5ヵ月連続で2桁減、6ヵ月連続の減少トレンドにブレーキを掛けた。4大地域別では、全地域で減少し7~8月の3地域から悪化。特にIT企業の多い西部とラストベルトを抱える中西部の2地域で2桁減を示した。
米9月建設許可件数は121.5万件となり、市場予想の124.5万件を下回った。前月の127.2万件(130.0万件から下方修正)を4.5%下回り、前月から減少に反転。4ヵ月ぶりの低水準となる。内訳をみると、一戸建てが2.4%増の81.9万件と増加に転じたが、複合住宅が16.1%減の39.6万件と2桁減に転じた。
米9月建設中件数は前月比0.3%増の108.2万件となった。2ヵ月連続で増加し、2007年10月以来の高水準を遂げた。一戸建てが0.8%増の47.6万件と2ヵ月連続で増加したが、複合住宅が0.2%減の60.6万件と減少に転じた。
住宅着工件数、リセッション前の平均値は遠い。
――住宅着工件数の一戸建てのうち75%が住宅市場に流入すると試算されるため、62.2万件が販売向けとなる見通しです。足元の新築販売件数を上回るため、住宅在庫の改善を促す期待から新築住宅価格の上昇幅を削る可能性を残します。とはいえ、住宅価格の上昇は前年比で6~7%台と平均時給の伸び率の倍近い状況ですから、庶民にはなかなか手が届かない状況ではあります。米10月NAHB住宅市場指数でも建築業者のセンチメントは上振れした半面、実際の客足を表す動向は拡大・縮小の分岐点である50割れが続き、住宅市場におけるハリケーン通過後の押し上げ効果は個人消費ほどではなさそうです。
▽MBA住宅ローン申請件数指数、借換が改善し5週ぶりに上昇
全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、10月6日週に前週比3.6%上昇し419.7となった。前週まで4週連続でマイナスを経て、プラスに反転している。新規が4.2%上昇の242.9と、前週の0.1%の低下から改善。借換も3.0%上昇の1399.6と5週ぶりに反発した。住宅ローン申請件数指数は前年比で18.6%低下し、借換が35.6%のマイナスと足を引っ張っている。新規は8.7%上昇した。
30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は前週の4.14%から低下し4.16%し、新規・借換ともに上昇を促した。ただし、前年同期の3.73%を上回ったままだ。15年固定金利型(平均)は3.45%と、前週の3.44%から若干上昇。FHAのローン金利は、前週まで2週連続で4.0%だった。
MBA住宅ローン申請件数指数、前年比ではマイナスが続く状況。
(作成:My Big Apple NY)
申請全体に占める借換の割合(件数ベース)は48.6%と、前週の49.0%から低下した。2009年6月以来の低水準である2015年7月3日週の48.0%を視野に入れている。
――金利上昇が一服し、新規が上昇トレンドに回帰しただけでなく足元で低下が目立った借換がプラスに転じました。ただ、足元の趨勢をみると金利が響いている状況。所得に大幅な改善が見られない限り、住宅市場に追い風が吹くようには見えません。
(カバー写真:Geoff /Flickr)
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