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米7~9月期家計資産は過去最高、株高や住宅価格の上昇がサポート

by • December 8, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1926

Household Net Worth Hits Record Again On Stock Market.

米連邦準備制度理事会(FRB)が12月8日に公表した、7~9月期家計資産報告(旧・資金循環報告)によると、家計・非営利団体の純資産は前期比2.5%増の96兆9,390億ドルとなり9期連続で統計開始以来の最高を更新した。

家計・非営利機関の資産のうち、特に金融資産(貯蓄、株式、投資信託、債券、年金、保険などを含む)は前期比1.9%増の78兆8,543億ドルと、8期連続で増加するともに過去最高を更新している。株式は市場価値ベースで4.0%増の28兆6,562億ドル(直接、間接保有含む)。金融資産における株式の割合は36.3%、総資産での割合も25.5%と2014年末以来で最大を示す。投資信託も前期比4.5%増の5兆5,957億ドルと、株式と合わせ増加した。S&P500は期間中、上昇トレンドを継続。米連邦公開市場委員会(FOMC)が6月に4回目の利上げを経て9月に保有資産の圧縮を指摘したものの、ダウなどは過去最高値を更新した。

家計・非営利機関の預金残高は前期比0.2%増の11兆2,985億ドルと、前期から増加したものの過去最高となった1~3月期の11兆3,843億ドルには届かず。民間での年金資産は5.0%増の3兆7,762億ドルと、8期連続で増加。2015年7~9月期に減少してから順調に増加し、最高を更新している。

家計部門の不動産資産は、住宅の値上がりや需要拡大を背景に前期比1.5%増の27兆4,823億ドルとなり全体を支えた。住宅ローンは10兆99億ドルで、ホーム・エクイティ(住宅の評価額から住宅ローンの残債を差し引いた価値)は少なくとも17兆ドル付近と弾き出せる。

国内債務は、前期比年率6.2%増の48兆6,352億ドルだった。伸び率は2015年末で最高となり、2010年以来で最大を記録した2015年10~12月期の7.7%増を視野に入れた。州・地方政府以外で、全て債務が増加している。詳細は以下の通り、伸びは全て前期比年率。

>家計の債務は6.2%増の15兆675億ドルとなり、増加トレンドを維持
>消費者信用は4.9%増の3兆7,817億ドルと2010年10~12月期以来、28期連続で増加。自動車ローンや学生ローンが牽引
>住宅ローンは2.7%増の10兆99億ドルと、堅調な住宅指標が示すように2014年7~9月期以来12期連続で増加
>非金融セクターの企業は6.4%増の14兆618億ドル、2011年1~3月期以来、26期連続で増加
>連邦政府は10.3%増の16兆4,632億ドルと2期連続で減少
>州・地方政府は0.1%減の3兆427億ドル、3期連続で減少

家計・非営利団体の債務は可処分所得に対し107.1%と、前期の106.4%を上回り2014年10~12月期以来の低水準だった。家計債務のみの可処分所得に対する債務比率は104.6%と、前期の104.2%を上回り同じく約3年ぶりの水準へ上昇。2007年のピーク時にあたる133%から大幅に低下した水準を保つ。

直近は上昇しているものの可処分所得に占める家計債務が低推移で、足元のGDPは個人消費が伸びを下支え。

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(作成:My Big Apple NY)

――可処分所得に占める家計債務の割合は低水準にあるおかげで、個人消費は底堅く推移しています。住宅ローン債務が金融危機以前ほど膨らんでいないことが一因で、持ち家率は2017年7~9月期に63.7%と2005~08年平均の68.4%を大きく下回ったままです。

米株高による資産効果も、個人消費には追い風です。家計債務の割合が可処分所得に対し徐々に上昇しつつあるなかでも、資産効果が消費を支援していると考えられます。

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(作成:My Big Apple NY)

家計債務の増加局面でも株高と労働市場の拡大に支えられる個人消費ですが、逆の展開へ進めば減速は必至。可能性が低いとはいえFedが利上げペースを加速すれば、所得の伸びが振るわないだけに要注意です。

(カバー写真:Dave Reid/Flickr)

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