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17年10~12月期、家計資産は過去最高も家計債務は07年以来の高い伸び

by • March 13, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off2134

Household Net Worth Hits Record, Consumer Debt Grows Fastest Since 2007.

米連邦準備制度理事会(FRB)が3月8日に公表した、2017年10~12月期家計資産報告(旧・資金循環報告)によると、家計・非営利団体の純資産は前期比2.1%増の98兆7,455億ドルとなり10期連続で統計開始以来の最高を更新した。

家計・非営利機関の資産のうち、特に金融資産(貯蓄、株式、投資信託、債券、年金、保険などを含む)は前期比1.9%増の80兆3,947億ドルと、9期連続で増加するともに過去最高を更新している。株式は市場価値ベースで4.7%増の29兆7,851億ドル(直接、間接保有含む)。金融資産における株式の割合は22.2%、総資産での割合も15.6%と、それぞれ2002年末以来で最大を示す。投資信託は5.3%増の5兆9,153億ドルと、株式と合わせ増加した。S&P500は期間中、上昇トレンドを継続。米連邦公開市場委員会(FOMC)が2017年10月から保有資産の圧縮を決定し、同年12月に5回目の利上げに踏み切ったものの、税制改革法案の成立などを追い風にダウなどは過去最高値を更新した。

家計・非営利機関の純資産、可処分所得に対する比率は過去最高。

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金融資産、総資産に占める株式資産の比率も2001年以来の高水準。

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(作成:My Big Apple NY)

家計・非営利機関の預金残高は前期比0.7%増の11兆3,853億ドルと、前期から増加したものの過去最高となった1~3月期の11兆3,958億ドルには届かず。民間での年金資産は3.8%増の3兆9,168億ドルと、9期連続で増加。2015年7~9月期に減少してから順調に増加し、最高を更新している。

家計部門の不動産資産は、住宅の値上がりや需要拡大を背景に前期比1.9%増の27兆8,483億ドルとなり全体を支えた。住宅ローンは10兆851億ドルで、ホーム・エクイティ(住宅の評価額から住宅ローンの残債を差し引いた価値)は少なくとも17兆ドル付近と弾き出せる。

国内債務は、前期比年率2.9%増の49兆507億ドルだった。伸び率は2015年末で最高となった前期の6.2%増から減速した。連邦政府以外で、全て債務が増加している。詳細は以下の通り、伸びは全て前期比年率。

>家計の債務は5.2%増の15兆2,514億ドルと2007年10~12月期以降で最高の伸び、増加トレンドを維持
>消費者信用は7.8%増の3兆8,411億ドルと2010年10~12月期以来、29期連続で増加。自動車ローンや学生ローンが牽引
>住宅ローンは3.0%増の10兆851億ドルと、堅調な住宅指標が示すように2014年7~9月期以来13期連続で増加
>非金融セクターの企業は3.7%増の14兆2,593億ドル、2011年1~3月期以来、27期連続で増加
>連邦政府は0.2%減の16兆4,553億ドルと3期連続で減少
>州・地方政府は4.2%増の3兆848億ドル、4期ぶりに増加

家計・非営利団体の債務は可処分所得に対し107.6%と、前期の107.2%を超え2014年7~9月期以来の108%乗せに接近した。家計債務の可処分所得に対する債務比率は104.8%と、前期の104.4%を上回った。2015年10~12月期の103.1%でボトムアウトを確認しつつ、2007年のピーク時にあたる133%を大幅に下回る水準を保つ。

直近は上昇しているものの可処分所得に占める家計債務が低推移で、足元のGDPは個人消費が伸びを下支え。

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(作成:My Big Apple NY)

――家計資産の拡大に合わせ、家計をはじめ非金融機関の企業、連邦政府、州・地方政府の債務も粛々と増加の一途をたどります。特に非金融機関の企業と連邦政府の債務残高の増加が顕著に。連邦政府の債務残高は税制改革法案の成立に合わせ一段と膨れ上がる見通しで、近い将来、財政のサステナビリティが問題視されること必至。非金融機関の債務は低金利に梃入れされた株主還元策が背景にあり、仮に金利が急上昇する局面では債務超過の企業を中心に株安の引き金を引くことでしょう。家計資産の増加が株高に裏打ちされたものならば、個人消費への影響が懸念されます。

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(作成:My Big Apple NY)

(カバー写真:John Fraissinet/Flickr)

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