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米4月ISM製造業景況指数は9ヵ月ぶりの低水準、建設支出は大幅減

by • May 2, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off2390

ISM Manufacturing Index Declines To 9-Month Low, Construction Spending Down.

4月のISM製造業景況指数とマークイット製造業PMI・確報値、米3月建設支出をおさらいしていきます。

米4月ISM製造業景況指数は57.3となり、市場予想の58.5を下回った。前月の59.3に届かず、2017年7月以来の低水準。2004年5月以来の高水準を達成した2月の60.8でピークアウト感が漂う。もっとも、税制改革法案の成立を手掛かりに、20ヵ月連続で分岐点を上回った。内訳をみると、新規受注や生産に加え、雇用や新規受注、在庫など軒並み前月を下回った。一方で、仕入れ価格は約7年ぶりの高水準を示す。詳細は、以下の通り。

・生産 57.2<前月は61.0、6ヵ月平均は62.4
・新規受注 61.2<前月は61.9、6ヵ月平均は64.0
・雇用 54.2、2016年12月以来の低水準<前月は57.3、6ヵ月平均は57.1

・在庫 52.9、4ヵ月連続で分岐点乗せ<前月は56.7、6ヵ月平均は52.2
・新規輸出受注 57.7<前月は62.8、6ヵ月平均は58.8
・仕入れ価格 79.3、2011年4月以来の高水準>前月は74.2、6ヵ月平均は72.9

ISMのティモシー・フィオーレ会長は、指数自体は2017年7月以来の低水準だったものの「18業種のうち17業種で拡大した」と明かした。ただ1業種は横ばいとなり、4月に縮小を報告した業種はみられていない。

▽米4月IHSマークイット製造業PMI、約3年半ぶりの高水準

米4月IHSマークイット製造業PMI確報値は56.5と、市場予想と速報値に一致した。約2014年9月以来の高水準となる。生産が2017年1月以来の高水準だったほか、仕入れ価格も加速した。結果を受け、クリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは今回の結果を受け、米4~6月期実質GDP成長率は前期の2.3%増から加速する」と予想。ただし入れ価格が約7年ぶりの高水準だったように、トランプ政権による鉄鋼・アルミ関税の影響も重なり、製造業者が販売価格を引き上げつつあるとも付け加えた。

ISMとマークイットの結果、雇用統計の内容と合わせて。
ism
(作成:My Big Apple NY)

――ISMとマークイット製造業PMIは、まちまちの結果に終わりました。雇用統計との関係でみるならば、直近はマークイットよりISMとの相関性が高い点に注目。足元で財部門の雇用が全体の就労者数を支えるだけに、米4月雇用統計で製造業が失速すればNFPに響きかねません。

▽米3月建設支出、民間が弱く8ヵ月ぶりに減少

米3月建設支出は前月比1.7%減の年率1兆2,850億ドルとなり、市場予想の0.5%増を下回った。前月の1.0%増(0.1%増から上方修正)から転じ、8ヵ月ぶりに減少している。内訳をみると、住宅が3.5%減と5カ月ぶりに減少。非住宅も0.3%減と7ヵ月ぶりに減少した。税制改革法案が成立したものの、東海岸の積雪などもあって、建設支出は住宅と非住宅そろって弱い結果となった。

民間は前月比2.1%減と、5ヵ月ぶりに減少した。住宅が3.5%減と6ヵ月ぶりに減少しただけでなく、非住宅も0.4%減と減少に転じている。公共は±0%と、増加基調を6ヵ月で止めた。住宅が0.1%減と過去4ヵ月で3回目の減少を示した一方、非住宅は2ヵ月連続で横ばいだった。

――米3月建設支出まで一連の経済指標を受け、アトランタ地区連銀は米4~6月期実質GDP成長率予測値を前期比年率4.1%増としています。翻って民間エコノミストはというと、そこまで力強い予想を示しておらず、バークレイズは2.3%増を予想。概してアトランタ地区連銀の予測値はGDP発表が近づくにつれ下方修正される傾向があるため、今回も2%半ばへ収斂していく可能性を残します。

(カバー写真:Washington State Dept of Transportation/Flickr)

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