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米5月鉱工業生産は一時的要因で鈍化、ミシガン大信頼感は高水準維持

by • June 18, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off2130

Industrial Production Declines For Temporary Reasons In May.

5月の鉱工業生産、6月のミシガン大学消費者信頼感指数・速報値をおさらしていきます。

米5月鉱工業生産指数は前月比0.1%低下し、市場予想の0.2%の上昇に反する結果となった。前月の0.9%(0.7%から上方修正)を下回り、4ヵ月ぶりに低下。特に自動車の落ち込みが目立ったが、発表元の米連邦準備制度理事会(FRB)によれば、トラック部品会社での火事が影響したという。前年比では3.5%の上昇となり、2月から続く3%超えの高い伸びを維持したが、徐々に伸びは鈍化しつつある。

稼働率は77.9%となり、市場予想並びに前月の78.1%(78.0%から上方修正)を下回った。2015年3月以来の78%乗せから、小幅に後退している。今後、邦人税率引き下げや設備投資の全額控除などのインセンティブにより、稼働率がリセッション前の80%台を回復できるか注目だ。

鉱工業生産の前年比は、5月も製造業と鉱業が寄与しつつ伸びが鈍化。

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(出所:My Big Apple NY)

内訳をみると、製造業(全体の74.6%)は3ヵ月ぶりに低下し2014年1月以来で最大の落ち込みを示した。自動車を除く製造業(66.03%)も、マイナスに転落。一方で油価の上昇を手掛かりに鉱業(全体の14.9%)、公益(全体の10.5%)は好調だった。

・製造業 0.7%の低下、2014年1以来の低水準<前月は0.6%、6ヵ月平均は0.1%の上昇
>自動車を除く製造業 0.2%の低下<前月は0.8%の上昇、6ヵ月平均は0.1%の低下
>自動車 6.5%の低下<前月は2.2%の上昇、6ヵ月平均は0.3%の低下
>機械 0.9%の上昇<前月は2.3%の上昇、6ヵ月平均は±0%
>コンピューター/電子部品 ±0%<前月は1.4%の上昇、6ヵ月平均は0.5%の上昇

・公益 1.1%の上昇<前月は3.2%の上昇、6ヵ月平均は0.7%の上昇
>電力 4.2%の上昇>前月は1.7%の上昇、6ヵ月平均は0.8%の上昇
>天然ガス 15.7%の低下<前月は12.6%の上昇、6ヵ月平均は0.5%の上昇

・鉱業 1.8%の上昇>前月は1.1%の上昇、6ヵ月平均は1.2%の上昇

――鉱工業生産は、製造業がマイナスに傾きました。耐久財のうち機械が沈んだほか、電気製品が1.2%の低下、一時金属も2.0%とそれぞれ前月からマイナスに振れています。非耐久財では服飾が2.0%の低下、石油・石炭製品も1.1%と弱い。一連の好結果を受け、製造業の稼働率も75.8%(NAICS、製造業のみ)と、2015年8月以来の高水準に達した前月の76.4%から低下しました。トラック部品会社の火事の影響ならば一時的にとどまるため、6月に回復が期待されます。

▽米5月ミシガン大信頼感・速報値は前月と変わらず、インフレ見通し上方修正

米5月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は99.3と、市場予想の98.5を上回った。前月の98.0(前月と変わらず)を超えつつ、約14年ぶりのレベルに上振れした3月の101.4以下が続く。内訳をみると、現況指数が117.9と前月の111.8を下回り過去最高をつけた3月に次ぐ高水準。逆に見通し指数は87.4と、前月の89.1を下回り5ヵ月ぶりの低水準だった。

原油先物が2014年11月以来の71ドルに乗せる過程で、1年先インフレ見通しは前月の2.8%から2.9%へ上昇、2014年10月以来の高水準となった。5~10年先インフレ見通しも前月まで5ヵ月連続で2.5%を経て、2.6%と2017年7月以来の水準へ上昇している。

ミシガン大学消費者信頼感は高止まりを維持、インフレ見通しはそろって上向き。

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(作成:My Big Apple NY)

ミシガン大学の主席エコノミスト、リチャード・カーティン氏は、結果を受け「現況指数は家計や耐久財の購入動向など明るい内容が目立ったが、見通し指数は逆に経済全般の見通しから楽観度が後退し低下した」と振り返る。見通しの鈍化については「所得増を見込む消費者が過去最高に達する一方、1年先インフレ見通しは2014年10月以降で最高をつけた」と指摘。経済拡大期はインフレと金利の上昇を懸念される傾向が強いものの、「所得増と失業率の低下期待が裁量消費を支える」との見方を示した。今回、カーティン氏は2018年の個人消費見通しを示していない。前回は「2.7%増」とし、年初の2.9%増を下回る水準を見込んでいた。

(カバー写真:daveynin/Flickr)

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