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米10月チャレンジャー人員削減予定数は大幅増、採用予定数も好調

by • November 2, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off3002

Job Cuts Jump 2-Month In A Row As Companies Face Disruptors, Hires Still Rise.

米10月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比153.6%増の75,644人と2ヵ月連続で増加した。2015年7月以来で最大となる。前月比でも36.8%増と3ヵ月連続で大幅に増加。となった。

発表元であるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのヴァイス・プレジデント、アンドリュー・チャレンジャー氏は、結果を受け「通信大手ベライゾンの人員削減予定数の過半数である58.2%を占め、100億ドルの節減を目指し管理職44,000人に対し自主退職を勧告していた」と分析する。ベライゾンの再編に伴う人員削減は、前月の米銀大手ウェルズ・ファーゴ、3月の玩具メーカー大手トイザらスの3社目で、チャレンジャー氏は「これらの企業は、深刻な既存事業のディスラプション(破壊)に直面している」と指摘した。足元の労働市場は力強く、職探しするには文句なしの環境のように見えるが、米株相場や追加関税措置の影響で「今後もこの状態が続くかは不透明」とも疑問を投げかける。その上で「”最高”の役職がつく交代が相次ぎ、7〜9月期の最高経営責任者(CEO)の離職数は396件と、2002年に統計を開始して以来で最悪となった」と明かした。

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(作成:My Big Apple NY)

人員削減が多かったセクターのランキングは、単月で以下の通り。チャレンジャー・グレイ・クリスマスの指摘通り、通信が全体を押し上げた。前月は1位が産業、2位が消費財、3位が小売、4位が金融、5位がヘルスケアだった。

1位 通信 46,616人(全体の61.6%)
2位 小売 7,350人(全体の9.7%)
3位 メディア 2,806人(全体の3.7%)
4位 製薬 2,497人(全体の3.3%)
5位 ヘルスケア 2,146人(全体の2.8%)

州別動向は、年初来で以下の通り。前月は1位がカリフォルニア州、2位がニュージャージー州、3位がテキサス州、4位がオハイオ州、5位がニューヨーク州だった。

1位 カリフォルニア州 83,462人(全体の18.9%)
2位 ニューヨーク州 72,123人(全体の16.3%)
3位 ニュージャージー州 41,422人(全体の9.4%)
4位 テキサス州 25,891人(全体の5.9%)
5位 オハイオ州 21,502人(全体の4.9%)

リストラ実施の理由、年初来のランキングは以下の通り。

1位 リストラ 165,193人(全体の37.4%)
2位 閉鎖 123,795人(全体の28.0%)
3位 自主退職 46,100人(全体の10.4%)
4位 破綻 33,530人(全体の7.6%)
5位 コスト削減 26,666人(全体の6.0%)

採用予定数は、前年同月比348.6%増の130,338人だった。前年比ベースで、3ヵ月連続で増加した。ホリデー商戦に合わせ各小売業や輸送などが臨時雇用を発表したため急増した9月からは、78.1%減となる。

セクター別では、以下の通り。前月は1位が小売、2位が輸送、3位が製薬、4位が消費財、5位がサービスだった。

1位 小売 422,830人
2位 輸送 168,188人
3位 製薬 1,500人
4位 消費財 1,400人
5位 サービス 560人

――採用予定数は前月から鈍化したとはいえ、今年のホリデー商戦が前年を上回る臨時雇用を生み出す可能性を示しました。米10月ADP全国雇用者数も8ヵ月ぶりの高水準で、米10月ISM製造業景況指数の雇用も高止まりしていることを踏まえれば、米10月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)は9月の鈍化から改善する見通しです。

なお、各社の臨時雇用の発表内容は、以下の通り。

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(作成:My Big Apple NY)

今年のホリデー商戦の臨時雇用は前年比16.2%増の71.4万人となったため、通期の個人消費も好調を維持する公算。2018年の成長率は、景気回復サイクルで最高を果たした2015年の2.9%増を上回る期待が高まります。ただし、2018年でピークアウトするシナリオは否定できませんが・・。

(カバー写真:Simon Carr/Flickr)

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