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米5月CPIは鈍化、Fedの利下げ議論開始をサポート

by • June 14, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off2273

Consumer Prices Gives Good Reasons For Fed To Discuss Rate-cut.

米5月消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%上昇し、市場予想と一致した。前月の0.3%から鈍化している。原油先物が5月末に53.05ドルと約2カ月半ぶりの安値をつけたためエネルギーは0.6%低下し、全体を押し下げた。ガソリンも0.5%低下し、エネルギーと合わせて4カ月ぶりのマイナスとなる。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン価格はドライブシーズンを迎え一時2.897ドルと約5カ月ぶりの水準へ上昇したが、CPI自体は鈍化した。その他のエネルギーでは電力など公益が前月の0.1%の低下に続き0.8%低下した。エネルギー以外では食品・飲料が0.3%上昇し、前月の0.1%の低下からプラス基調へ戻した。

CPIコアは3カ月連続で前月比0.1%上昇、市場予想の0.2%を下回った。項目別では、帰属家賃が3~4月に続き0.3%上昇し、全体を支えた。家賃は4月まで2カ月連続での0.4%を経て、0.2%へ鈍化。テルなど宿泊も前月の1.6%上昇から、0.1%の低下に反転している。結果、住宅全般では0.2%と前月の0.4%を下回った。住宅関連以外は軟調な数字が目立ち、輸送は0.3%低下、4カ月ぶりにマイナスに転じた。輸送のうち自動車が0.5%低下し、新車が0.1%上昇し2ヵ月連続でプラスだったが、中古車は1.3%低下と3ヵ月連続で低下し自動車を押し下げた。娯楽は0.3%の低下、前月の横ばいからマイナスに転じている。服飾は2カ月連続での大幅低下(4月:-0.8%、3月:-1.9%)を経て、横ばいだった。一方で、医療費は0.3%上昇し3ヵ月連続でプラスだった。教育も0.1%上昇、7ヵ月連続で上昇した。航空運賃はボーイング737MAXの運航停止問題が一服するなか、2.0%上昇し3カ月ぶりにプラスに転じた。

CPIは前年比で1.8%上昇、市場予想の1.9%並びに前月2.0%を下回り3カ月ぶりの低水準となる。2012年2月以来の高い伸びを遂げた2018年7月に2.9%から一段と遠ざかった。コアCPIは市場予想と前月の2.1%に届かず、2.0%の上昇に。リーマン・ショック直後の水準へ加速した2018年7月の2.4%以下の推移を続けた。

CPIとコア、物価伸び悩みの状況を確認。

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(作成:My Big Apple NY)

――物価が伸び悩むなか、NY連銀の調査によるインフレ期待もさえません。5月は2.45%と、原油安の最中にあった2016年1月以来の水準へ低下しました。

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(作成:My Big Apple NY)

米連邦公開市場委員会(FOMC)は6月18~19日開催の会合で利下げを検討する見通しと、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が報じていましたが、少なくともインフレ環境は利下げをサポートしつつあると言えそうです。インフレ期待も低下をたどっており、これはガソリン価格が影響しているのでしょう。平均時給が10カ月連続で3%台に乗せ、物価を大きく上回るなかで消費に寄与するか、経済成長の面でも見逃せません。

(カバー写真:Federalreserve/Flickr)

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