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米8月新築住宅販売件数、金利低下を追い風に70万件台を回復

by • September 26, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off1337

New Home Sales Rebound As Rates Fall.

米8月新築住宅販売件数、7月のS&P/ケースシラー住宅価格指数とFHFA住宅価格指数をおさらいしていきます。

米8月新築住宅販売件数は年率71.3万件と、市場予想の65.9万件を超えた。前月の66.6万件(63.5万件から上方修正)を7.1%上回る。2007年7月以来で最多となった5月(72.8万件)に次ぐ水準となり、年初来で5回目の増加に。前年比では18.0%増と、5月を除き年初来での増加基調を保った。

4大地域別では、前月に続き2地域で増加した。今回、IT企業が集まる西部が16.5%増(増加に反転)の19.1万件だったほか、住宅規模が最大の南部も6.0%増(増加に反転)の42.6万件となった。一方で、北東部は過去2ヵ月にわたり2桁増だった反動で5.9%減の3.2万件に。中西部は3.0%減(減少に反転)の6.4万件だった。

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(作成:My Big Apple NY)

在庫総数は、前月比1.2%減の32.6万件だった。販売件数の増加したものの在庫が減少したため、在庫相当は5.5ヵ月と前月の5.9ヵ月から短期化した。

中央価格は32.84万ドルと、前月の30.54万ドルから7.5%上昇した。なお、2017年11月に34.34万ドルと過去最高を更新した。前年比では2.2%上昇し、4ヵ月ぶりに上昇に転じた。中央価格が上昇した背景として、50万ドル以上の高価格帯の住宅が14万件と、2005年8月来の高水準だったことが挙げられる。価格別の割合としては23%を占め20万~29万ドルの32%に次ぐレベルとなり、50万ドル以上の括りでは統計が開始した2002年以降で最高だった。

――米8月新築住宅販売件数は、金利低下を受け米9月NAHB住宅市場指数が上向いた動きに合わせ、70万件乗せを達成しました。ただ、在庫数が徐々に減少しつつあるため、価格押し上げ要因とならないか気掛かり。書き入れ時シーズン終了が価格圧力を吸収してくればよいのですが。

MBA住宅ローン申請件数指数は、借換を軸に金利低下から上昇に転じた影響が大きく現れています。とはいえ、新規購入指数は2011年からの平均208を上回る水準を保っており、住宅需要は引き続き堅調と言えそうです。

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(作成:My Big Apple NY)

▽米7月S&P/ケースシラー住宅価格指数、20都市は約7年ぶりの低い伸び

米7月S&P/ケースシラー住宅価格指数(季節調整前)は前年同月比3.18%上昇の211.72と、前月の210.9(210.71から上方修正)を抜け過去最高を更新した。2012年9月以来の低い伸びとなる。20都市別の季節調整前では2.00%上昇の218.0となり、市場予想の2.1%に届かず。前月の2.16%(2.13%から上方修正)を下回り、2012年8月以来の低い伸びにとどまった。季節調整済み・20都市別の前月比は0.02%の上昇と、市場予想の0.1%を下回り2018年8月以来のマイナスが視野に入った。

S&P500/ケースシラー住宅価格指数、20都市の前年比(季節調整前)は2012年8月以来の低い伸び。

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(作成:My Big Apple NY)

20都市別での季節調整済みベース・前月比では、6月に続き17都市で上昇した。トップはカリフォルニア州サンディエゴで0.59%上昇、次いで前月ワースト3位だったワシントン州シアトルが0.51%の上昇、ノースカロライナ州シャーロットが0.50%の上昇となった。最下位は前月に続きNY州NYで0.41%の低下、カリフォルニア州ロサンジェルスは0.39%の低下、ワシントンD.C.で0.06%の低下と続いた。

▽米7月住宅価格指数、前年比は5%台を回復

米住宅金融公社(FHFA)が発表した米7月宅価格指数は前月比0.4%上昇し、市場予想の0.3%を上回った。前年比は5.0%上昇、2012年3月以降の上昇トレンドを維持。2015年1月以来の5%割れとなった前月の4.9%からも小幅改善している。国勢調査ベースの9地域別では、前月比にて全て上昇し前月の6地域を上回った。

FHFAが公表する住宅価格指数は、米連邦住宅貸付機関監督局(OFHEO)傘下のFHFAの場合はプライム層向けの住宅価格がメインで、融資額が政府保証機関(GSE)の買取基準額を超えるジャンボ・ローンや、低所得者層向けのサブプライムを含んでいない。従ってS&Pケース/シラー住宅価格指数とは対象が異なり、数字自体は現状より強めの数字が出ると言われている。こうした背景からFHFAは2011年6月分から、フレディマックやファニーメイなどGSE以外のローンを含んだ住宅価格指数を拡大版として、公表を開始した。

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(作成:My Big Apple NY)

――住宅価格の上昇ペースはS&P/ケースシラー住宅価格指数はまちまちでしたが、FHFA住宅価格指数は上向き、まちまちとなりました。FHFAの違いは、ジャンボローンや低所得者受けのサブプライムなどを含まないGSE買取基準がベースという事情もあるのでしょう。住宅市場の実態を表すのはS&P/ケースシラー住宅価格指数と想定され、金利低下が一服するなかで価格上昇圧力がゆるんでいることはグッドニュースです。

(カバー写真:Irina Souiki/Flickr)

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