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米10月小売売上高、自動車関連が支え改善も裁量消費財は弱い

by • November 17, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off1933

Retail Sales Rebounds Thanks To Gasoline Stand And Auto, But Consumer Discretionary Softens.

米10月小売売上高は前月比0.3%増と、市場予想の0.2%増を下回った。7ヵ月ぶりに減少した前月の0.3%減から改善している。自動車を除いた場合は0.2%増と、市場予想の0.4%増に届かず。9ヵ月ぶりに減少した前月の0.1%減からは増加に転じた。国内総生産(GDP)の個人消費のうち約4分の1を占めるコントロール小売売上高(自動車、燃料、建築材、外食などを除く)は0.3%増と市場予想と一致し、前月の0.1%減(横ばいから下方修正)を上回った。

前月比は7ヵ月ぶりに減少した9月分のマイナスを相殺。

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前年比は5ヵ月ぶりの低い伸びにとどまる。

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(作成:My Big Apple NY)

内訳をみると、主要13カテゴリー中5カテゴリーで増加し、前月の6種から減少した。今回は原油価格が前月比で上昇したためガソリン・スタンドが牽引したほか、自動車大手GMが約1ヵ月ぶりにストライキを終了したため、自動車・部品も増加に転じた。その他、無店舗や食料・飲料、一般小売などが堅調。一方で、値下がりが目立っていた服飾のほか、家具やスポーツ用品、建築・庭園に加え、これまで小売売上高を支えてきた外食が減少。裁量消費財の弱含みが目立つ。項目別の詳細は、以下の通り。

(プラス項目)
・ガソリン・スタンド→1.1%増、4ヵ月ぶりに増加>前月は0.1%減、6ヵ月平均は0.2%減
・無店舗(主にネット通販)→0.9%増、10ヵ月連続で増加>前月は0.2%増、6ヵ月平均は1.4%増
・自動車/部品→0.5%増、過去6ヵ月間で5回目の増加>前月は1.3%減、5ヵ月ぶりに減少、6ヵ月平均は0.4%増

・食品/飲料→0.5%増、3ヵ月ぶりに増加>前月は0.6%減、6ヵ月平均は0.3%増
・一般小売→0.4%増、3ヵ月ぶりに増加>前月は0.4%減、6ヵ月平均は横ばい
(百貨店は0.1%増、3ヵ月ぶりに増加>前月は1.5%減、6ヵ月平均は0.6%減)
・ヘルスケア→横ばい<前月は0.6%増と4ヵ月ぶりに増加、6ヵ月平均は0.1%増

(マイナス項目)
・外食→0.3%減、10ヵ月ぶりに減少<前月は0.8%増、6ヵ月平均は0.5%増
・電気製品→0.4%減<前月0.1%増、6ヵ月平均は0.1%増
・建築材/園芸→0.5%減、2ヵ月連続で減少<前月は1.8%減、6ヵ月平均は横ばい

・雑貨→0.6%減、2ヵ月連続で減少<前月は0.2%減、6ヵ月平均は0.6%増
・スポーツ用品/書籍/趣味→0.9%減、4ヵ月連続で減少<前月は0.1%減、6ヵ月平均は0.2%減
・家具→0.9%減、4ヵ月ぶりに減少<前月は0.7%増、6ヵ月平均は横ばい

・服飾→1.0%減<前月は0.3%増、6ヵ月平均は0.1%減

――米10月小売売上高はガソリン・スタンドや自動車・部品のほか食料・飲料など生活必需品が支え改善しました。しかし、裁量消費財は一般小売や無店舗を除き軟調。特に小売売上高を支えてきた外食は、10ヵ月ぶりに減少しました。9月は速報値で同じく牽引役だった無店舗が減少に転じたものの(修正値ではプラスに反転)、現時点では増加基調を取り戻しています。外食が無店舗と同じくこれまで増加トレンドにあった反動なのか、見極めが必要です。

11月には感謝祭を控え、その翌日からはブラック・フライデーを幕開けとして年末商戦が開始します。米小売業は前倒しでセールする傾向があるとはいえ、足元で10月と11月の変化はどうだったのか、過去7年分を振り返ってみました。

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(作成:My Big Apple NY)

こうしてみると、10月が強い時は11月弱く逆も然りで、興味深いことに1年ごとに強弱が入れ替わっているのですね。仮にこのアノマリーを踏襲するなら、11月は強含みが期待されます。

(カバー写真:Christof Timmermann/Flickr)

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