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米11月消費者信頼感は4ヵ月ぶり低水準も、期待指数は改善

by • November 29, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off1730

Consumer Confidence Still Declines But Expectations Improves.

米11月消費者信頼感指数は125.5となり、市場予想の127を下回った。前月の126.1(125.9から上方修正)に届かず、4ヵ月ぶりの水準へ低下。2018年10月にITバブル真っ盛りの2000年9月以来となる高水準近くを達成した後、対中追加関税措置の影響や設備投資のド鈍化などもあって、一旦ピークアウトしたもよう。内訳をみると、現況指数が166.9と5ヵ月ぶりの低水準となり、2000年11月以来の高水準を達成した9月の176.0(177.2から下方修正)以下が続く。期待指数は97.9と、8ヵ月ぶりの低水準だった前月の94.5(94.9から下方修正)から改善した。

外部環境として、10月29~30日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で今年3回目の利下げを実施、今後は長きにわたる据え置きを示唆し、消費者マインドを支えた。通商面では、5月にトランプ大統領が中国製品2,000憶ドル相当の追加関税の税率を10%から25%へ引き上げた後、残り約3,000憶ドル相当への対中製品にも同様の措置を講じる(第4弾)と発言、6月は米中首脳会談で少なくとも第4弾が棚上げにされた。米中通商協議再開で合意したこともあり一部では安心感が漂ったが、8月1日にトランプ大統領はこれを撤回、9月1日から発動する意思を表明した。8月23日には、中国が約700億ドルの米国製品に5~10%の追加関税措置を発表、米国も第4弾までの追加関税措置の税率を引き上げ。もっとも、中国が9月11日に対米追加関税の適用除外品目リストを発表したため、米国も第3弾の追加関税引き上げ(25%→30%)も10月1日発動から同15日へ先送りした。10月開催の米中閣僚貿易協議で第1段階の合意に至った後は、米中首脳会談での署名が期待されている。

発表元であるカンファレンス・ボードのリン・フランコ・シニア経済指標ディレクターは、結果を受け「現況指数と雇用に対する信頼感が押し下げ、4ヵ月連続で低下した」と振り返る。また、現況指数の低下は「10~12月期の成長率が弱含む可能性を示す」と指摘。ただし「期待指数が改善しており、2020年初めの成長率は2%付近と見込まれる」とし、米経済が著しい減速局面に陥るリスクは低いとの考えを示唆した。

消費者信頼感指数は4ヵ月連続で低下、現況は2000年11月以来の高水準から下振れ継続、期待指数のみ8ヵ月ぶり低水準から改善。

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(作成: My Big Apple NY)

現状の労働市場に対し「職が豊富」から「職探しが困難」を引いたDIは32.1%と、前月の36.1%以下に。2000年11月以来の高水準を遂げた前月の38.3%から大きくかけ離れた水準へ低下した。以下は、結果の詳細。

ビジネス環境については、「良い」と「悪い」が上昇
「良い」40.2%→前月の39.7%から上昇、前年同月は42.0%
「悪い」13.8%→前月の11.0%から上昇、前年同月は10.7%
「普通」46.0%→前月の49.3%から低下、前年同月は47.3%

雇用については職が「豊富」が低下し、「あまり豊富でない」と「困難」が上昇した。「豊富」から「あまり豊富でない」を差し引いたDIは、9ヵ月連続でプラスとなる。
「職が豊富」44.8%→前月の47.7%から低下、前年同月は46.8%
「あまり職が豊富ではない」42.5%→前月の40.7%から上昇、前年同月は40.6%
「職探しが困難」12.7%→前月の11.6%から上昇、前年同月は12.6%

6ヵ月先のビジネス環境への見方は「良くなる」が低下し、「変わらず」と「悪化する」が上昇。
「良くなる」17.2%→前月の18.7%から低下、前年同月は22.7%
「悪化する」12.1%→前月の11.5%から上昇、前年同月は11.2%
「変わらず」70.7%→前月の69.8%から上昇、前年同月は66.1%

6ヵ月先の雇用への見方は「職が増加した」が低下し8ヵ月連続で前年同月以下に下振れし、ただし「減少」が低下したため、「増加」は9ヵ月連続で「減少」を上回る。
「職が増加する」15.7%→前月の16.9%から低下、前年同月は22.7%
「職が減少する」13.2%→前月の18.0%から上昇、前年同月は11.2%
「変わらず」71.1%→前月の65.1%から上昇、前年同月は66.1%

6ヵ月先の所得への見方は「増加」と「減少」が低下、「変わらず」が上昇。
「増加する」21.8%→前月の21.4%から上昇、前年同月は23.2%
「減少する」6.2%→前月の6.9%から低下、前年同月は7.2%
「変わらず」72.0%→前月の73.8%から低下、前年同月は69.6%

購入見通しは、自動車のみ上昇、住宅と家電は低下した。前月は、住宅のみ上昇していた。今回、自動車は11.9%と2012年4月以来の低水準だった前月の10.1%から改善した。逆に住宅は金利低下に一服の兆しがみられるなかで、4.3%と2013年2月以来の低水準。家電は48.4%と3ヵ月連続で低下し、2018年4月以来の水準へ落ち込んだ。年末商戦前に、芳しくない結果となっている。

購入見通し、期待指数の改善の割に低水準。

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(作成:My Big Apple NY)

――米中貿易協議の第1段階をめぐる合意が視野に入るなか、期待指数が上昇しました。期待先行の米株高に比例する動きです。米上下院が香港人権・民主主義法案を全会一致で可決しトランプ大統領が署名する前にほぼ調査は終了したと考えられ、仮に年内の署名が達成できなければ、再び下振れしてもおかしくありません。逆に妥結に持ち込めば、現況指数の持ち直しとともに信頼感が改善しそうです。

(カバー写真:Stephen Percival/Flickr)

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