Capital Goods Orders Rebound, A Sign Of Capex Improvement?
米10月耐久財受注は前月比0.6%増となり、市場予想の0.9%減を上回った。前月の1.4%減(1.2%減から下方修正)から転じ、4ヵ月ぶりに増加した。
内訳をみると、輸送用機器を除く耐久財は0.6%増と市場予想の0.1%増を上回った。前月の0.4%減を超え、3ヵ月ぶりに増加した。輸送用機器は0.7%増と、前月の3.2%減(修正値)を上回り、過去5ヵ月間で4回目の増加を迎えた。振れの大きい民間航空機が10.7%増と前月(19.0%減、修正値)から増加に転じたためで、米10月新車販売台数が1,700万台を割り込んでおり自動車はむしろ1.9%減と2ヵ月連続で減少した。防衛財は16.6%増と、前月の0.8%増(修正値)を上回り、4ヵ月連続で増加した。
企業の設備投資を表す民間航空機を除く非防衛財(コア資本財)は1.2%増と、市場予想の0.2%減を上回った。前月の0.5%減(0.6%減から上方修正)から増加に転じ、4ヵ月ぶりに増加した。内訳をみると、機械が1.3%増と4ヵ月ぶりに増加し、過去3ヵ月分の減少をほぼ打ち消した。組立金属も1.8%増と、前月の減少分を相殺。コンピューター・電子機器は0.7%増と、5ヵ月ぶりに増加した。一方で、電気機器は1.7%減と前月の1.0%増から減少に反転。鉄鋼・アルミ関税の影響が及ぶ一次金属は1.5%増、組立金属も1.3%増とそれぞれ前月の減少分を相殺した。
耐久財出荷は前月比横ばいとなり、前月の0.7%減(修正値)から転じ減少記録を3ヵ月で止めた。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財の出荷は0.8%増と、市場予想の0.2%減から転じた。前月の0.8%減(0.7%減から下方修正)を上回り、横ばいを含めた4ヵ月に及ぶ不振から脱却、5ヵ月ぶりに増加した。
耐久財在庫は0.3%増となり、前月の0.5%増(修正値)を下回った。ただし、3ヵ月連続絵増加し、出荷の伸びを上回った結果、在庫相当は1.72ヵ月と前月の1.71ヵ月から延びた。
――耐久財受注は、前月比GDPに反映されるコア資本財出荷のほか、同新規受注もプラスに転じ、設備投資の底打ちを感じさせます。項目別でも民間航空機以外に機械、コンピューター・電子機器などが上向きに転じており、自動車の弱さを相殺するほど。アトランタ地区連銀は、11月27日までの経済指標を受け、米7~9月期実質GDP成長率予測値を従来の0.4%増から1.7%増へ大幅に上方修正してきました。
では、あらためて各連銀が発表する製造業景況指数をみてみましょう。5地区連銀中、フィラデルフィアとダラスが改善、カンザスシティは前月と変わらず、NYとリッチモンドが低下していました。核連銀の製造業景況指数は、まちまちの状況です。
6ヵ月先の設備投資見通しは、NY、フィラデルフィア、ダラスの各連銀の平均値で16.1と前月の22.7を下回り、原油安に直面した2016年9月以来の低水準です。フィラデルフィアが大幅に改善したものの、NYとダラスが足を引っ張りました。鉱工業生産の設備稼働率の下振れと、整合的です。これだけみますと、今回の耐久財受注は一時的のようにみえます。
各連銀の製造業景況指数という先行指標からは、設備投資が底打ちしたかは不透明。それもこれも、米中首脳が貿易協議において第1段階の妥結に至れば、好転につながるのでしょうか。
(カバー写真:Tim Engle/Flickr)
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