ISM Non-Manufacturing Index Hits One-Year High, But There’s Also Bad News.
2月のISM非製造業景況指数とマークイット・サービス業PMIをおさらいしていきます。
米2月ISM非製造業景況指数は57.3となり、市場予想の54.8を上回った。前月の55.5も超え、1年ぶりの水準へ上昇。中国湖北省武漢を発火点に新型コロナウイルスが感染拡大するなかでも、米国のサービス業の力強さをみせつけた。米中貿易協議・第1段階の合意成立がラグを置いてセンチメントを押し上げた可能性がある。内訳をみると、新規受注や雇用、新規輸出受注が上向いたほか、受注残や在庫変化なども上昇した。半面、ビジネス活動や仕入れ価格が低下した。詳細は、以下の通り。
・ビジネス活動 57.8<前月は60.9、6ヵ月平均は56.7
・新規受注 63.1、2018年6月以来の高水準>前月は56.2、6ヵ月平均は56.9
・雇用 55.6、6ヵ月ぶりの高水準>前月は53.1、6ヵ月平均は54.0
・新規輸出受注 55.6>前月は50.1と2017年1月以来の低水準近く、6ヵ月平均は54.0
・在庫変化 53.9>前月は46.5、6ヵ月平均は50.9
・仕入れ価格 50.8<前月は55.5、6ヵ月平均は56.8
ISMのアンソニー・ニーブス会長は、サービス業の拡大継続を表す結果とコメントした半面「大半の回答者は、新型コロナウイルスと流行拡大によるサプライチェーンへの影響を懸念していた」と振り返った。今回、18業種中で16を数え、宿泊・外食サービスや管理・企業支援サービス、鉱業、金融・保険、不動産などが並んだ。一方で、芸術・娯楽と農業の2つは縮小を報告した。
▽米2月IHSマークイット・サービス業PMI・確報値、以来の分岐点割れ
米2月IHSマークイット・サービス業PMI確報値は49.4と、市場予想と速報値と一致した。前月の53.4を下回り、2013年10月以来の分岐点割れを迎えた。結果を受け、クリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは、結果を受け「米サービス業部門は、新型コロナウイルス感染拡大のほか、経済や政治の不確実性を受け下振れした」と指摘。なかでも、ビジネス活動の落ち込みは金融危機以降、2番目に大きかったという。製造業とサービス業のPMIが共に鈍化するなか、同氏は1~3月期の成長率につき「潜在成長率の2%を大きく割り込み、0.7%程度へ減速する」と見込む。
トランプ政権発足以降、ISM非製造業はマークイットPMIを平均3.3ポイント上回る傾向あり。2013年10月にもISMが大きく上振れした時、雇用統計・民間サービス業就労者数は前月比18.3万人増と堅調だった。
――新型コロナウイルス感染拡大を受け、両者は明暗を分けました。過去を振り返ると、マークイットPMIが分岐点を割り込みISMが上向き両者の結果に乖離が生じた2013年10月、就労者数は全げてぃ18.3万人増と堅調でした。今回も過去の経験則に倣うのか。少なくとも、米2月ADP全国雇用者数は振れが大きい指標ながら、市場の懸念を払しょくさせたことでしょう。
(カバー写真:Glen Scott/Flickr)
Comments
スーパーチューズデー、黒人票を支えにバイデン候補が巻き返し Next Post:
新型コロナウイルス、米2月ADP全国雇用者数と人員削減に影響せず