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米2月小売売上高、大寒波が仇となりマイナスも一時的か

by • March 16, 2021 • Finance, Latest NewsComments Off2979

Retail Sales Decline As Winter Weather Prevents Consumers To Shop.

米2月小売売上高は前月比3.0%減と、市場予想の0.5%減より下げ幅を広げた。4ヵ月ぶりに増加した前月の7.6%増(5.3%増から上方修正)から減少に反転している。2020年12月末に成立した追加経済対策に個人向け給付が600ドル、さらに失業保険上乗せ300ドルなどが盛り込まれた。また、20年10月から21年1月前半にか新型コロナウイルス感染者数が過去最多を更新、各州で規制が再導入された流れが、1月後半にはカリフォルニア州で、2月にはNY市で規制が緩和された。しかし、大寒波やその影響でテキサス州が大規模停電に見舞われた影響で、小売売上高が冷え込んだとみられる。また、前月に急増した反動とも捉えられよう。

自動車とガソリンを除いた場合も前月比3.3%減と、前月の8.7%増から減少に反転。国内総生産(GDP)の個人消費のうち約4分の1を占めるコントロール小売売上高(自動車、燃料、建築材、外食などを除く)は3.5%減と市場予想の0.9%増より弱く、5ヵ月ぶりに増加した前月の8.7%増(6.0%増から上方修正)からマイナスに転じた。

チャート:小売売上高、前月比は過去5ヵ月間で4回目の減少

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チャート:小売売上高は前年比で6.3%増と9ヵ月連続で増加も、2011年9月以来の高い伸びだった前月から鈍化

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(作成:My Big Apple NY)

前月比の内訳をみると、主要13カテゴリー中1業種のみ増加し、前月の全てを大幅に下回った。今回、唯一増加したのは油価の上昇に伴ってガソリンスタンドで、逆に百貨店など一般消費財、スポーツ用品など最良消費財が落ち込んだほか、悪天候ながら無店舗も弱かった。前月比の項目別詳細は以下の通り。

(プラス項目)

・ガソリンスタンド→3.6%増、3ヵ月連続で増加<前月は5.9%増、6ヵ月平均は2.9%増

(横ばいの項目)
・食料/飲料→横ばい<前月は2.4%減、6ヵ月平均は0.3%増

(マイナス項目)
・ヘルスケア→1.3%減、3ヵ月ぶりに減少<前月は2.3%増、6ヵ月平均は0.4%増
・電気製品→1.9%減<前月は16.7%増と3ヵ月ぶりに増加、6ヵ月平均は0.3%増
・外食→2.5%減<前月は9.1%増、4ヵ月ぶりに増加、6ヵ月平均は横ばい

・服飾→2.8%減、3ヵ月ぶりに減少<月は6.0%増、6ヵ月平均は1.9%増
・建築材/園芸→3.0%減<前月は4.9%増、6ヵ月平均は0.6%増
・雑貨→3.4%減、10ヵ月ぶりに減少<前月は0.5%増、6ヵ月平均は0.7%増

・家具→3.8%減<前月は12.9%増と4ヵ月ぶりに増加、6ヵ月平均は1.1%増
・自動車/部品→4.2%減、3ヵ月ぶりに減少<前月は0.7%増、6ヵ月平均は0.7%増
・無店舗(主にネット)→5.4%減<前月は16.8%増と3ヵ月ぶりに増加、6ヵ月平均は0.3%増

・一般小売→5.4%減<前月は10.4%増と4ヵ月ぶりに増加、6ヵ月平均は0.6%増(百貨店は8.4%増<前月は20.6%増と4ヵ月ぶりに増加、6ヵ月平均は0.6%増)
・スポーツ用品/書籍/趣味→7.5%減<前月は10.3%増と4ヵ月ぶりに増加、6ヵ月平均は0.6%増

チャート:2月の業種別動向、追加経済対策を支えに見事に全て増加

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(作成:My Big Apple NY)

――2月の小売売上高は予想より悪化しましたが、コロナ禍直前の20年2月の水準を回復した項目はガソリンスタンドが入った一方で、電気製品がマイナスに転じた結果、10業種で変わりませんでした。

チャート:20年2月時点との比較

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(作成:My Big Apple NY)

3月は追加経済対策やタックスリターンの押し上げ効果が期待され、バイデン政権下で成立した第3弾の追加経済対策「米国救済計画法」の前に再び活気づく見通しです。4月になれば米国救済法の現金給付が小売売上高を支えるシナリオが想定され、今回の落ち込みは一時的となる公算大。油価の戻りと金利上昇が気掛かりながら、1人1,400ドルの現金給付が打ち消してくれそうです。

(カバー写真:Wil C. Fry/Flickr)

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