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米4月ADP全国雇用者数は予想以下、人員削減予定数は急減

by • May 6, 2021 • Finance, Latest NewsComments Off1845

Private Payrolls Show Big Gains Again, Job Cuts Decrease To The Lowest Since 2000.

4月のADP全国雇用者数、チャレンジャー人員削減予定数をおさらいしていきます。

米4月ADP全国雇用者数は前月比74.2万人増となり、市場予想の80万人増を下回った。3月の56.5万人増(51.5万人増から上方修正)に続き、4ヵ月連続で増加しただけでなく、2020年10月以来、6ヵ月ぶりの大幅増となった。ワクチン接種が4月16日から全米で16歳以上となり、バイデン氏が大統領に就任してから100日で2億回の接種を達成する過程で、経済活動再開も重なり労働市場も正常化が進んだ。なおADP全国雇用者数は民間のみであり、政府を含まない。

チャート:ADP全国雇用者数、4ヵ月連続で増加

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(作成:My Big Apple NY)

セクター別では、サービス部門が63.6万人増と前月の46.8万人増(修正値)を超え、4ヵ月連続で増加した。6ヵ月ぶりの高い伸びとなる。内訳は以下の通り。

・娯楽/宿泊→23.7万人増、4ヵ月連続で増加>前月は19.3万人増
・貿易/輸送→15.5万人増、4ヵ月連続で増加>前月は9.3万人増
・専門サービス→10.4万人増、12ヵ月連続で増加>前月は7.8万人増
・教育/健康→9.2万人増、12ヵ月連続で増加>前月は7.4万人増
・その他→4.0万人増、4ヵ月連続で増加>前月は2.6万人増
・金融→1.1万人増、9ヵ月連続で増加>前月は0.9万人増
・情報→0.3万人減、6ヵ月連続で減少>前月は0.6万人減

財部門(製造業、建設、鉱業)は10.6万人増と、過去5ヵ月間で3回目の増加となった。内訳は以下の通り。

・鉱業→1.0万人増、3ヵ月連続で増加>前月は0.3万人増
・建設→4.1万人増、2ヵ月連続で増加<前月4.8万人増
・製造業→5.5万人増、過去5ヵ月間で3回目の増加>前月は4.7万人減

ADPリサーチ・インスティチュートのニラ・リチャードソン首席エコノミストは、結果を受け「3月は力強い改善を確認し、6ヵ月ぶりの高い伸びだった」と振り返った。また「サービス部門の雇用はここ数カ月の平均を大きく上回り、特に娯楽・宿泊はで目立ち、ワクチン普及と経済の正常化で最も改善余地がある」と指摘。今後も注視が必要でありつつ、数カ月先も大幅増が期待できるとの見解を寄せた。

▽米4月人員削減予定数、2000年6月以来の低水準

米4月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比で96.6%減の2万2,913人と3ヵ月連続で前年比で減少した。2000年6月以来の低水準となる。20年4月は、コロナ禍で経済活動が停止した影響で削減予定数が急増していた。前月比では25.1%減となり、3ヵ月連続で減少。感染者数の減少やワクチン普及の加速に加え、追加経済政策を通じた現金給付で個人消費が急拡大する見通しのなか、企業は削減予定を手控えつつある。

年初来では、前年同期比83.5%減の16万7,599人だった。

チャート:人員削減予定数、コロナ前の2019年の月平均値である4万9,379人も下回る

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(作成:My Big Apple NY)

発表元であるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのアドリュー・チャレンジャー副社長は、今回の結果を受け「消費者が安全に旅行や支出を楽しめるようになり、企業は大規模な人員削減に踏み切らなくなった」と振り返る。また「求人数も徐々に増加中」と指摘。ただしバッドニュースとして「何百万人が失業中とはいえ、労働力不足に直面している」と付け加えた。

人員削減が多かったセクターのランキングは、単月で以下の通り。3月は1位が通信、2位がサービス、3位が娯楽・宿泊、4位が教育、5位が食品だった。

1位 サービス 5,382人
2位 ヘルスケア 3,493人
3位 食品 2,223人
4位 政府 1,712人
5位 娯楽・宿泊 1,283人

年初来では、以下の通り。3月時点まででは1位が航空・防衛、2位が通信、3位が小売、4位が倉庫、5位娯楽・宿泊だった。

1位 航空・防衛 3万2,006人
2位 通信 2万4,639人
3位 小売 1万5,193人
4位 倉庫 1万2,541人
5位 娯楽・宿泊 1万1,149人

州別動向は、年初来で以下の通り。航空・防衛が最多だったことから、ボーイングが本社を置くワシントン州が1~3月に続き前年の圏外から1位へ急伸しままだ。2位以下はほぼ3月と変わらず、5位のみテネシー州の代わりにイリノイ州がランクインした。

1位 ワシントン州 3万7,657人
2位 テキサス州 2万6,312人
3位 カリフォルニア州 2万590人
4位 ミズーリ州 9,035人
5位 イリノイ州 7,306人

リストラ実施の理由別ランキングは、年初来で以下の通り。1~3月まで1位だった需要低下が2位へランクダウンし、代わりに市場動向が1位に入った。3位も閉鎖が4位から浮上し、順位が上位で入れ替わった格好だ。一方で、新型コロナウイルスは3月に続き6位と、2月までの5位から転落したままとなる。

1位 市場動向 4万7,847人
2位 需要低下 3万9,018人
3位 閉鎖 2万5,903人
4位 再編 2万1,157人
5位 M&A 9,235人

採用予定数は、前年同月比で73.2%減の7万6,345人だった。過去2年間の25万人超えには届かず。前月比では21.9%減と、経済活動の再開や追加経済対策の成立という追い風が吹くなかで縮小。1~4月期では、前年同期比でも67.9%減の39万2,578人だった。

チャート:採用予定数、過去2年と比較すると低水準。

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(作成:My Big Apple NY)

セクター別では、単月で以下の通り。3月は1位が娯楽・宿泊、2位が政府、3位がヘルスケア、4位が倉庫、5位がサービスだった。

1位 娯楽・宿泊 1万5,870人
2位 娯楽・宿泊 1万2,970人
3位 輸送 1万1,510人
4位 政府 9,188人
5位 小売 5,595人

年初来では、以下の通り。1~3月の通り1位は小売、2位が政府、3位が娯楽・宿泊、4位がヘルスケア、5位のみ公益がランクダウンしテクノロジーが入った。

1位 小売 7万7,665人
2位 政府 6万6,230人
3位 娯楽・宿泊 5万4,462人
4位 ヘルスケア 3万564人
5位 テクノロジー 2万3,818人

チャート:人員削減予定数と採用予定数をみると、採用が人員削減を上回る推移が続く。

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(作成:My Big Apple NY)

――4月は、ADP全国雇用者数が予想以下とはいえ大幅増の流れが続きました。人員削減予定数も2000年以来の低水準に。採用予定数が伸び悩んだとはいえ、米4月雇用統計への期待が否が応でも高まります。アトランタ地区連銀総裁は100万人を超える増加の可能性について言及していましたが、果たしてどうなるでしょうか?

(カバー写真:Governor Tom Wolf/Flickr)

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