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【追記】LVMH 2012年決算で利益は予想以下も、2013年の業績に自信

by • January 31, 2013 • Latest NewsComments (0)4433

LVMH 2012 Profit Rise 12% and 2013 Outlook Favorable.

LVMHが31日引け後に発表した、2012年および2012年10-12月期決算を大解剖!セレブから庶民まで憧れのルイ・ヴィトン、ブルガリ、セリーヌ、へネシー、モエ・シャンドンなどなどを有するグループ会社なだけに、個人的な思惑で取り上げてみました~。2011年分はこちらです。

欧州ソブリン危機のほか中国景気の鈍化など、苦境が相次いだにも関わらず増収・増益はさすがブランド帝国・王者の貫禄ですね。売上や利益の伸びが鈍化したとはいえ、ご立派な業績にアッパレ。2013年の見通しも強気で、足元の景気回復の芽がにょきにょき伸びている世界経済を背景に、さらなる成長が見込まれそうです。

ヴィトンといえば、王室から庶民まで愛されるブランドの代名詞。
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ただし、アルノー最高経営責任者(CEO)が指摘するように、ユーロ高の向かい風がリスク要因でしょうか。日本でも2月15日からルイ・ヴィトンが平均12%の値上げに踏み切りますし、庶民が買うにはハードルが高くなりそうです。まーお金持ちの購買力で相殺されるんでしょう。

【継続事業ベースの純利益】

前年比13%増の59.2億ユーロ→ブルームバーグがまとめた市場予想の59.5億ユーロに届かず。前年の22%増からも、伸びを縮小させている。

【純利益】

前年比12%増の34.2億ユーロと、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の36億ユーロ以下となっている。

【売上高】

買収・合併などを含めた総売上高は前年比19%増の281億ユーロとなり、アナリスト予想の280億ユーロとほぼ変わらず。前年の16%増から伸びを広げている。為替の影響を除く既存事業の売上高は9%増となり、前年の14%増以下に終わった。

【営業利益率・キャッシュフロー】

営業利益率は21%となり、前年の22%から低下。フリーキャッシュフローは25億ユーロと、前年の22億ユーロから増加した。

【部門別の売上高・既存事業ベース】

・ファッション/革製品部門は7%増→前年は16%増
・ワイン/酒類部門は11%増→前年は10%増
・香水・化粧品部門は8%増→前年は9%増
・時計・宝飾部門は6%増→前年は23%増
・精選小売部門は14%増→19%増

【2012年版の国・地域別売上シェア、前年比との比較を添えて】

1位 アジア(日本を除く)→28%(前年は27%)
2位 米国→23%(前年は22%)
3位 欧州(仏を除く)→20%(前年は21%)
4位 フランス→11%(前年は12%)
5位 その他→10%(前年は10%)
6位 日本→8%(前年は8%)

【2013年見通し】

LVMHは声明にて「欧州の経済環境には不透明性が横たわるものの、LVMHは2013年もすべての部門で成長モメンタムを維持する備えがある」との見解を表明。2013年も、業績には「期待できる」と強気な姿勢をみせた。

2013年は予想値こそ発表を控えたが、アルノー最高経営責任者(CEO)は決算発表のプレゼンにて「業績には自信がある」と発言。裏打ちとして、フランス国内で「雇用を増加させる」計画を明らかにしている。一方で、「為替リスクに立ち向かうリスクを見込んでいる」と述べ、ユーロ高に警戒を示した。

100万ユーロ以上の所得者への大増税が廃案でも、ベルギー国籍取得を目指すアルノーさん。
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【2012年10-12月期の結果】

10-12月期の売上高は前年同期比12%増、為替の影響を除く既存事業部門は8.0%増とアナリスト予想の7.6%増を上回った。2009年10-12月期以来の水準へ鈍化した前期(12年7-9月期)から、改善を示す。

【2012年10-12月期、部門別の売上高・既存事業ベース】

・ファッション/革製品は5%増→前年同期は18%増
・ワイン/酒類は9%増→前年同期は9%増
・香水/化粧品部門は9%増→前年同期は5%増
・時計/宝飾部門は6%増→前年同期は16%増
・精選小売部門は13%増→前年同期は19%増

【配当】

配当は、12%増の2.9ユーロへ。

【追記:アナリストの評価】

アナリストは、LVMHの決算を受け投資判断を据え置きが優勢。

・JPモルガンは、既存事業売上高が前期から加速し8%増だった点を評価し、税・金利引き前利益(EBIT)も市場予想通りだったとしながら、増税による打撃が気掛かりとしている。投資判断は「中立」、目標株価は142ユーロで維持した。

・ケプラーは、LVMHが2013年の懸念としてユーロ高のみだったとした上で、押し目買いを推奨。投資判断は「買い」、目標株価も168ユーロで据え置いた。

・ナティクシスは原材料コストの上昇が懸念としながら、結果につき予想通りであるとした上で投資判断を「買い」で据え置いた。目標株価は147ユーロから155ユーロへ引き上げている。

ブルームバーグがまとめた各アナリストによる投資判断の内訳は、「買い」が71.1%、「保有」が26.3%、「売り」が2.6%。平均の目標株価は154.27ユーロとし、足元を10.4%上回る水準となる。

いかがでしたでしょうか。ちなみに私は同社株をもってませんので、悪しからず。

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