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米10月小売売上高、ホリデー商戦前に前月分の減少を相殺

by • November 14, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off2471

October Retail Sales Rebound, Good News Before Holiday Season.

米10月小売売上高は前月比0.3%増となり、市場予想の0.2%増を上回った。iPhone 6発売の余波を受け8ヵ月ぶりに減少に転じた前月の0.3%減を相殺している。ガソリン価格の下落で消費が押し上げられ、過去最高が予想されるホリデー商戦への期待をさらに膨らませる結果を示した。

内訳をみると、13カテゴリー中10項目が増加。前月の5項目を大きく下回り、自動車を除いた場合も0.3%増と市場予想の0.2%増を超え、前月の0.2%減を打ち消した。

(主なプラス項目)
・オンラインを含む非店舗→1.9%増、前月の0.3%減から反転し過去5ヵ月間で4回目の増加
・スポーツ衣料→1.2%増、前月の0.5%増を含め5ヵ月連続で増加
・外食→0.9%増、前月の0.7%増を含め6ヵ月連続で増加
・健康→0.7%増、前月の0.4%増を含め増加基調を維持
・雑貨類→0.6%増、前月の1.7%減から反転し過去6ヵ月で5回目の増加
・服飾→0.5%増、前月の1.5%減から反転し過去6ヵ月間で4回目の増加
・自動車→0.5%増、前月の1.2%減から反転し過去4ヵ月で3回目の増加
・建築材→0.4%増、前月の0.6%減から増加に反転し過去6ヵ月で4回目の増加
・家具→0.2%増、前月の±0%から増加反転し過去3ヵ月で2回目の増加
・食品・飲料→0.2%増、前月の0.4%増を含め3ヵ月連続で増加

(横ばいの項目)
・一般小売→±0%、前月は0.2%減(*ただし百貨店は0.3%減、3ヵ月連続で減少)

JCペニーは8−10月期の売上が予想以下でした。
jcp

(主なマイナス項目)
・電気製品→1.6%減、2013年4月以来の高水準だった前月の4.7%減を下回り4ヵ月ぶりに減少
・ガソリンスタンド→1.5%減、前月の0.8%減を含め3ヵ月連続で減少(横ばいの項目)

バークレイズのマイケル・ギャピン米エコノミストは、今回の結果を受けて「ガソリン価格が当方の予想以上に下落するなか、コア小売売上高(自動車、ガソリン、建築材を除く)は0.5%増と堅調だった」と評価。9月のコア小売売上高も0.2%減から±0%へ上方修正されており、予想を上回る米9月企業在庫と合わせ米7−9月期国内総生産(GDP)改定値の予想を「2.5%増から3.1%増」へ引き上げた。

BNPパリバは同じく米小売売上高、米9月企業在庫を含め米7−9月期GDP改定値を3.3%増へ上方修正した。速報値の3.5%増からの下方修正を見込む。ただしバークレイズの予想と合わせ、速報値の3.5%増を下回る公算だ。

——以上、米9月小売売上高の逆風がiPhone 6要因だったことを確認。エボラ出血熱の問題もあって、量的緩和第4弾(QE4)の可能性すら取り沙汰されるなど悲観へ傾いたのが嘘のようです。

米11月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値も89.4と、市場予想の87.5を超えただけでなく2007年7月以来の高水準を達成しました。ガソリン価格の下落が特に現況指数を押し上げており、景気の先行きを見つめるとマーケットが織り込む2015年半ばの第1弾利上げが妥当に映ります。

ひとつ気掛かりなのは、ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値でのインフレ見通し。ガソリン価格の下落を背景に1年先は2.6%と前月の2.9%を下回ったほか、5年先も2.6%と2002年9月以来の低水準でした。

思い出して頂きたいのが、NY連銀のダドリー総裁の言葉です。「マーケットベースのインフレ見通しより、調査ベースのインフレ見通しを重視する」——つまり5年先5年物ブレーク・イーブン・インフレ率などより経済指標を重視するわけですから、12月1—日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で経済・金利見通しがどのような修正を加えるのか、熱い視線が注がれます。

(文中、カバー写真:AP)

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